研究課題/領域番号 |
11J09386
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安井 伸太郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(PD)
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キーワード | 圧電体薄膜 / 強誘電体薄膜 / MEMS / デバイス化 / Si基板 |
研究概要 |
申請者が開発したBi(Zn1/2Ti1/2)O3系エピタキシャル薄膜は、従来材料であるPZTに匹敵する圧電特性を有している。さらにPZTを格段に上回る特性として、キュリー点(Tc)が750℃以上であることが確認されており、PZTなどに見られる90度ドメインは存在しておらず、膜厚方向に分極軸を有している単軸配向膜である。単軸配向膜が出来る理由として、成膜温度よりキュリー点の方が高いために、成膜時に堆積される結晶系は正方晶であると考えられ、その後室温に冷却する過程で相転移がないことに起因する。また微構造により圧電性を変化させることが出来ることは知られており、各デバイスに求められる材料定数を設計するには、微構造を変化させればよい。従って、微構造を設計するためにはキュリー点の制御が必要となり、本研究ではBiサイトにLaをドーピングすることによって制御を行う。Bi系単純ペロブスカイト構造強誘電体はBiイオンの6s軌道の孤立電子対に依存していることが知られており、この全体量を変化させることで制御を行う。その結果、少量のLaドープした薄膜において、大きく変化がなかった。またLa量が多い場合、ペロブスカイト相を得るのが非常に難しかった。LaによってTcの制御を行うのは難しかった。そこで、基板を変化させることで、膜内の応力を変化せることでTcを制御することにした。その結果、Si基板上において600度程度まで低下することが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に計画した方法での実験結果は芳しくなかったが、早い時期に方向転換をしたため、おおむね順調に研究が遂行できていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
Si基板上にBi系圧電体を堆積することを可能としたため、その物性を定量的に測定しコントロールする方法を取得する。また、Si基板上でデバイス化することも検討する。
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