研究課題/領域番号 |
11J09506
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
武内 康則 大谷大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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キーワード | 契丹語 / 契丹文字 / 歴史言語学 / モンゴル諸語 / 解読 |
研究概要 |
研究計画のとおり、契丹語・契丹文字に関する研究をすすめ、その成果を国際学術雑誌・国際学会などで発表した。これらを通して国内外の研究者と研究交流をする機会に恵まれ、非常に生産的に研究を行うことができた。本年度の主な研究成果としては以下のものがある。 (1)契丹文字対音資料データベースの構築 契丹文字解読のための基礎的データとなる契丹文字と漢字の対音資料を網羅的に収集しデータベースの構築を行った。契丹文字資料に関するこれまでの先行研究から信頼性の高い契丹文字と漢字の対応を抽出した。これらのデータをもとに改めて組織的に契丹文字の音価推定を行った。 (2)契丹語の音素配列の研究 上記対音資料のデータを基礎として契丹語の音韻について昨年度に引き続き考察を加えた。本年度は特に契丹語の音素配列に関する研究を進めた。契丹語の音素配列の規則に関しては言語資料が乏しいことからこれまでに十分に考察が加えられてきたとは言えない。この研究成果については、日本及び中国のシンポジウム・学会にて報告し、博士論文の一部として発表した。今後学会誌等でも発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的の一つである契丹文字の表音システムの解明にむけ、改めて文字の音価推定を進めその文字の構成原理について考察を加えている。これらの取り組みは概ね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
契丹語と中期モンゴル語・モンゴル祖語との比較研究を更に進めるとともに、チュルク系・ツングース系の言語と契丹語との言語接触についても考察を加える予定である。
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