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2013 年度 実績報告書

魚類における水域環境毒物の蓄積排出機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11J09567
研究機関東京大学

研究代表者

佐藤根 妃奈  東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードベルフルオロオクタンスルホン酸 / LC-MS/MS / トランスクリプトーム解析
研究概要

本年度は、昨年実施したペルフルオクタンスルホン酸(PFOS)のヒラメに対する腹腔内投与試験のサンプルについて、PFOSの濃度分析とヒラメの皮膚および肝臓サンプルのトランスクリプトーム解析を行った。
PFOS分析の結果、低濃度投与区(LD区)では、PFOS濃度は2日目の血漿中で最も高い値を示した。一方、高濃度投与区(HD区)では4日目の肝臓で最も高く、血流を循環して肝臓に運ばれてきたPFOSが分解されずに蓄積していると考えられる。この時同時に、体表粘液への排出量が最も高くなった。また興味深いことに、HD区7日目の皮膚において有意に濃度が上昇した。よって、ヒラメ体内におけるPFOSの分布は血液、肝臓、皮膚に集中していること、粘液排出機構がPFOSの体外排出にも関わることがわかった。これらの結果を受けて、皮膚のトランスクリプトーム解析を行ったところ、HD区4日目に比べて7日目に脂質合成/代謝に関わる遺伝子の増加が確認され、このうち1-FABPはPFOSの皮膚への蓄積に直接的に関わる分子候補の一つと考えられた。その他に、ストレス応答遺伝子の増加やエネルギー代謝率の低下、細胞のがん化、免疫、シグナル伝達、脂質代謝関連因子への影響も確認された。また、4日目の全濃度区間での比較からPFOSの体表粘液への排出に関わる分子の探索を試みたところ、イオンチャネルや膜輸送に関するGOの増加を確認した。肝臓のトランスクリプトーム解析についても現在解析を進めており、環境毒性学的に意義のある結果が見込まれている。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Expression and functional characterization of recombinant tirbutyltin-binding protein type 2.2013

    • 著者名/発表者名
      Satone H, Akahoshi E, Nakamura A, Lee JM, Honda M, Shimasaki Y, Kawabata S, Kusakabe T, Oshima Y
    • 雑誌名

      The journal of toxicological sciences

      巻: 38 ページ: 885-890

    • 査読あり
  • [学会発表] ペルフルオロオクタンスルホン酸がヒラメに与える影響のトランスクリプトーム解析2014

    • 著者名/発表者名
      佐藤根妃奈、陳盈光、浅川修一、潮秀樹
    • 学会等名
      平成26年度日本水産学会春季大会
    • 発表場所
      北海道大学水産学部(函館)
    • 年月日
      2014-03-30

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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