研究課題/領域番号 |
11J09677
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井本 佐保里 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | アフリカ / ケニア / 教育施設 / 農村 / 都市 / スラム / 子ども / 住民参加 |
研究概要 |
平成23年度には、90日間の現地調査及び国内での文献調査を行った。本年度の研究の結果以下のことが明らかになった。 【ケニア農村部】 ヨーロッパ諸国から19世紀以降持ち込まれた「近代教育施設計画」の強い影響を受けていることが明らかになった。その一方で、それらを現地の状況に合わせて再構築している状況も明らかになった。再構築の現状については以下の点を挙げることができる。 (1)Harambee(ハランベー)という地域主導型の教育施設整備システムの構築と実践 (2)「増築する」ことを前提にした施設計画 (3)伝統的構法であるTemporary structureの活用 一方、教育施設がケニア農村部の中で果たす役割については以下の点が挙げられる。 (1)教育施設が町の拠点となる(shopping centerの形成) (2)教育施設の地域への開放(成人教育、集会の場) (3)教育施設計画を体験したことによる新たな「建築計画」の概念の浸透(建物に方位を持たせる知識、Permanent structureの建物の建設技術の住宅への応用) 現在は調査対象地を都市部スラムに広げ、同地域における「近代教育施設計画」がどのように再構築されているのかその特徴を捉えるための調査を実施している。都市部、農村部両地域の比較を行い、共通点、相違点を洗い出すことで、ケニア国内における教育施設計画の再構築の地域性と共通性(普遍性)について論じることができると考える。その上で、地域性と共通性(普遍性)両方の視点から両地域における「ケニアの現状に適した」教育施設計画について各ステイクホルダーに提言することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り調査を進行することができている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、現地調査を進行中であるが、現地調査終了後は国内において分析及び考察、論文の執筆に当たる予定である。
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