研究課題
解析条件を見直すとともに、温度条件制御の妥当性について再度検討を行った。昨年度までの解析では、温度条件制御を行った後すぐに応力をかけ始めていたために、温度条件制御や集合体初期方位の影響について詳細な解析を行うことが困難であった。このため、無ひずみ、定ひずみ印加速度、定ひずみの3段階での解析を行う系を新たに設計した。新たに設計した系における解析において、600Kで温度条件制御を行った場合の解析結果は、1200Kで温度条件制御を行わない場合の解析結果と同等であることが明らかになった。温度条件制御を行わずに初期温度を2倍とした場合、熱振動の運動エネルギーとして与えられたエネルギーの半分は、原子が格子点からずれることによる系のポテンシャルエネルギー上昇に使われた状態で安定する。すなわち、温度制御を用いずに1200Kの熱振動に対応する運動エネルギーを与えられた系は、その半分にあたる600Kで安定することとなる。このため、600Kで温度条件制御を行った場合の解析結果は、1200Kで温度条件制御を行わない場合の解析結果と同等であることは、1200Kから600Kに温度条件が安定するまでの影響や、600Kで温度条件制御を行うことによる影響が無視できることを示している。これに加え、集合体初期方位に対する依存性を新たな系で改めて解析した。この結果、高温において小さいサイズの格子間原子集合体は無ひずみ条件においても容易に方位変化を起こし、初期方位によらず、同等の解析結果が得られることが確認された。これらの解析結果により、改良された新たな系の妥当性が示され、応力下における格子間原子集合体方位変化挙動の詳細を明らかにすることが可能となった。
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Fusion Engineering and Design
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10.1016/j.fusengdes.2012.03.012
Proceedings of 20th International Conference on Nuclear Engineering
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