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2013 年度 実績報告書

中世イスラームにおけるギリシア思想の流入と、その融合的発展

研究課題

研究課題/領域番号 11J09900
研究機関東京大学

研究代表者

小村 優太  東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD) (20726822)

キーワードイスラーム哲学 / イブン・シーナー / アリストテレス / 新プラトン主義 / ガレノス / ペリパトス派 / キンディー / ファーラービー
研究概要

本年度は、当該研究の最終年度であるため、学会発表などを複数回行うことにより、これまでの研究成果を広く発表した。新プラトン主義協会での発表「キンディーにおける新プラトン主義哲学の影響」では、初期イスラーム哲学の翻訳期に活躍した哲学者キンディーal-Kindī(870以降歿)の『知性論』Risālah : fī al-'aqiに登場する「第二知性」と呼ばれるものに、どのようにしてギリシア思想、とりわけ新プラトン主義が影響を与えたか検討した。中世哲学会での発表「イスラーム哲学の文脈において哲学用語「wahm」が指すものの変遷」では、アリストテレスAristotelēs (BC384-322)の『魂について』Peri Psychēsで語られる「表象」Phantāsiaが、どのようにイスラーム世界に翻訳され、展開していったか。そしてその流れにおいてバグダード学派とキンディー学派によるtakhayyulとwahmという二つの用語選択が存在したことを明らかにした。またAvicenna Symposiumでの発表「Avicenna as an heir of Galen」では、中世イスラームの哲学者イブン・シーナーIbn Sīnā/Avicenna (980-1037)の内的感覚論における脳中心モデルの淵源が、古代ローマ時代のギリシア人医学者ガレノスGalēnos (200頃歿)にあり、中世イスラーム哲学の内的感覚論はファーラービーal-Fārābī(950歿)を除き、基本的にガレノスの脳中心モデルを採用していたことを明らかにした。以上の諸研究発表により、中世イスラーム哲学の思想的源泉の三つの要素(新プラトン主義、ペリパトス派哲学、そしてガレノス)をそれぞれ別個に検討し、明らかにすることが出来た。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] イブン・シーナーからスフラワルディーに向かう「鳥物語」の系諾2014

    • 著者名/発表者名
      小村優太
    • 雑誌名

      新プラトン主義研究

      巻: 13(掲載決定済)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] イスラームにおける障害の表現2013

    • 著者名/発表者名
      小村優太
    • 雑誌名

      UTCP Uehiro Booklet

      巻: 2 ページ: 73-87

  • [学会発表] Avicenna as an heir of Galen2013

    • 著者名/発表者名
      小村優太
    • 学会等名
      Avicenna Symposium
    • 発表場所
      東京大学医科学研究所(東京都港区)
    • 年月日
      2013-11-24
  • [学会発表] イスラーム哲学の文脈において哲学用語「wahm」が指すものの変遷2013

    • 著者名/発表者名
      小村優太
    • 学会等名
      中世哲学会
    • 発表場所
      京都大学吉田キャンパス(京都府京都市左京区)
    • 年月日
      2013-11-09
  • [学会発表] キンディーにおける新プラトン主義哲学の影響2013

    • 著者名/発表者名
      小村優太
    • 学会等名
      新プラトン主義協会
    • 発表場所
      慶應義塾日吉キャンパス(神奈川県横浜市港北区)
    • 年月日
      2013-09-22

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公開日: 2015-07-15   更新日: 2020-06-22  

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