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2012 年度 実績報告書

日常的空間における個体間同期作用の解明と社会性連関モデルの教育支援への展開

研究課題

研究課題/領域番号 11J10284
研究機関独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

北 洋輔  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・知的障害研究部, 特別研究員(PD)

キーワード自閉症スペクトラム障害(ASD) / 注意欠陥多動性障害(ADHD) / 特別支援教育 / 臨床研究 / コホート / 認知神経科学 / 心理学実験 / 脳波
研究概要

本年度は、個体間の同期作用について、主に脳機能測定を用いた解明と教育支援への展開に取り組んだ。第一に、同期作用の感情面へのアプローチとして、他者の表情を認知する際の脳機能を検討した。成人・小児・自閉症スペクトラム(ASD)児が表情認知をする際の脳機能を、近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)を用いて計測した。ASD児が表情認知をする際に、特定の脳領域の活動が亢進することに加え、亢進の程度と障害の重症度が関連することを明らかにした。第二に、ASD児に対して継続的な教育的介入を行い、介入に伴う脳機能の変化を検討した。介入によって、対象となったASD児は行動面での改善を示した。また、介入前後において脳機能でも改善傾向を示した。教育的介入に伴う脳機能の変化を明らかにするとともに、脳機能を一つの指標として、介入の有効性を検証することが出来る可能性を示した。第三に、人と人の間に生じる同期作用が発達的に変化する可能性をふまえて、発達における母子間の相互作用を検証した。出産直後から産後約7年6ヶ月にわたるコホート調査に基づいて、相互作用に関わる要因を検討した。その結果、多動や不注意といった子どもの行動特性が母親の精神健康に与える影響や、母親の養育態度が子どもの行動特性に与える影響を明らかにした。これら三点の成果より、同期作用の解明が進むとともに、教育支援の有効性が示唆されたと考えられる。また、外部研究機関との連携の構築もすすみ、次年度以降の研究を進展させられるものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度予定していた研究計画を遂行出来ており、次年度の準備も適切に整っていると考えられるため。また外部機関との連携も円滑に進んでいるため。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画に沿って研究を遂行する予定である。来年度は、本年度実施した教育支援の展開と検証を継続して行うとともに、新規の認知課題を実施し、個体間の同期作用について脳機能面から検討することを計画している。また、外部研究機関との連携も継続し、研究を推進する予定である。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Facial identity recognition in children with autism spectrum disorders revealed by P300 analysis : A preliminary study2013

    • 著者名/発表者名
      Gunji, A., Goto, T, Kita. Y.. Sakuma, R., Kokubo, N., Koike, T., Sakihara, K., Kaga, M., Inagaki, M.
    • 雑誌名

      Brain and Development

      巻: 35(4) ページ: 293-298

    • DOI

      10.101.6/j.braindev.2012.12.008

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自閉症スペクトラム障害児に対するソーシャルスキルトレーニングの実践-脳機能計測を活用した客観的評価法-2012

    • 著者名/発表者名
      北洋輔, 軍司敦子, 後藤隆章, 稲垣真澄, 細川徹
    • 雑誌名

      東北大学大学院教育学研究科研究年報

      巻: 61(1) ページ: 127-143

  • [雑誌論文] 自閉症スペクトラム障害の顔認知2012

    • 著者名/発表者名
      北洋輔, 稲垣真澄
    • 雑誌名

      BRAIN and NERVE

      巻: 64(7) ページ: 821-831

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 豊かな出産体験が母親の養育態度と学童期における子どもの行動に与える影響2012

    • 著者名/発表者名
      鈴木浩太, 北洋輔, 井上祐紀, 加我牧子, 三砂ちづる, 竹原健二, 稲垣真澄
    • 雑誌名

      脳と発達

      巻: 44(5) ページ: 368-373

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 次元尺度化による行動解析を用いた発達障害児におけるソーシャルスキルトレーニングの有効性評価2012

    • 著者名/発表者名
      佐久間隆介, 軍司敦子, 後藤隆章, 北洋輔, 小池敏英, 加我牧子, 稲垣真澄
    • 雑誌名

      脳と発達

      巻: 44(4) ページ: 320-326

    • 査読あり
  • [学会発表] 自閉症スペクトラム障害児における表情認知の脳機能2013

    • 著者名/発表者名
      ○北洋輔, 井上祐紀, 軍司敦子, 崎原ことえ, 細川徹, 稲垣真澄
    • 学会等名
      第4回Human Movement研究会
    • 発表場所
      首都大学東京、東京
    • 年月日
      2013-03-09
  • [学会発表] 自閉症児の顔認知の脳機能2013

    • 著者名/発表者名
      ○北洋輔
    • 学会等名
      同志社大学・東北大学合同ワークショップ「発達科学のフロンティア」
    • 発表場所
      同志社大学、京都
    • 年月日
      2013-01-13
  • [学会発表] 母性意識と子どもの行動特性が母親の抑うつ傾向に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      ○鈴木浩太, 北洋輔, 加我牧子, 三砂ちづる, 竹原健二, 稲垣真澄
    • 学会等名
      第59回日本小児保健協会学術集会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター、岡山
    • 年月日
      20120927-20120929
  • [学会発表] 自閉症スペクトラム障害児の表情認知における脳機能の特異性一近赤外線スペクトロスコピーを用いて-2012

    • 著者名/発表者名
      ○北洋輔, 井上祐紀, 軍司敦子, 崎原ことえ, 稲垣真澄
    • 学会等名
      日本発達障害学会 第47回研究大会
    • 発表場所
      横浜国立大学、横浜
    • 年月日
      20120811-20120812
  • [学会発表] Self-face recognition in children with autism spectrum disorders : A near infrared spectroscopy study2012

    • 著者名/発表者名
      Kita. Y., Gunji, A., Inoue, Y., Goto, T, Sakihara, K., Kaga, M., Inagaki, M., Hosokawa, T.
    • 学会等名
      第54回日本小児神経学会総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌、札幌
    • 年月日
      20120517-20120519
  • [学会発表] 発達性読み書き障害児の音韻操作時における脳機能の脆弱性2012

    • 著者名/発表者名
      ○北洋輔, 山本寿子, 大場健太郎, 寺澤悠理, 守口善也, 加我牧子, 稲垣真澄
    • 学会等名
      第54回日本小児神経学会総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌、札幌
    • 年月日
      20120517-20120519
  • [学会発表] 自閉症スペクトラム障害児における顔識別時の事象関連オシレーション2012

    • 著者名/発表者名
      ○崎原ことえ, 軍司敦子, 井上祐紀, 北洋輔, 加我牧子, 稲垣真澄
    • 学会等名
      第54回日本小児神経学会総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌、札幌
    • 年月日
      20120517-20120519
  • [学会発表] 視覚誘発脳波を用いた大細胞系機能評価と読字能力の関連性2012

    • 著者名/発表者名
      ○小林朋佳, 稲垣真澄, 山崎広子, 北洋輔, 山本寿子, 加我牧子
    • 学会等名
      第54回日本小児神経学会総会
    • 発表場所
      ロイトン札幌、札幌
    • 年月日
      20120517-20120519
  • [備考]

    • URL

      http://www.ncnp.go.jp/nimh/chiteki/

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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