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2013 年度 実績報告書

後期スコラ哲学との比較に基づいたデカルト存在論の体系的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11J10398
研究機関東京大学

研究代表者

今井 悠介  東京大学, 大学院人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード哲学 / デカルト / スコラ哲学 / 存在論 / スアレス / 近世哲学
研究概要

本研究は、アリストテレス-スコラ的な類種概念による秩序から別の秩序への転換という視点を軸に、デカルト存在論の特質を描くことを目的とする。本年度は以下の研究を実施した。1/存在論を形作る概念枠組みの変化を研究するため、前年度に引き続き主にスアレス、エウスタキウスらデカルト以前の近世スコラ哲学者との比較を行った。スアレスの区別論において、他の諸々の区別を三つの区別のみに帰着させるという構造化がなされ、この構造化・単純化を引き継いだのがデカルトであることを明らかにした。エウスタキウスにおいてはこのような構造化がなされておらず、デカルトのものと異なっている。以上の系譜関係は認められつつも、普遍自体の考察を素通りし、区別の徴表の議論を実体論に先立たせ、その前提とさせるデカルトの議論構成において、スアレスの体系構成の換骨奪胎が起こっており、存在論の議論構成においてもドラスティックな変化が起きたことを明らかにし、以上の成果を日本哲学会において発表した。2/デカルトの強い影響を受けた近世スコラ哲学者であるクラウベルクの検討、およびアルノー、ニコルの『ポールロワイヤル論理学』の検討を行った。クラウベルクにおいて、アリストテレスのカテゴリー論批判の議論とデカルト哲学の摂取が結びつく次第を検討し、また、『ポールロワイヤル論理学』において、オルガノン的枠組みとデカルト哲学の概念群がどのように架橋されているのかを検討した。その結果、デカルト哲学の概念群が、オルガノン的枠組みの一部を刷新し、後の哲学者の体系構成に変化を与えるものであったことを明らかにした。3/デカルトの存在論に関するマリオン、クルティーヌらの先行研究を整理し、デカルト哲学の体系構成の検討を行った。また、本有性、明晰判明性等々の概念群の関係を整理することで、観念の理論がデカルト存在論とどのように関係するかという問題の一端を明らかにした。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] デカルト哲学における明晰判明性の概念について2013

    • 著者名/発表者名
      今井 悠介
    • 雑誌名

      論集

      巻: 32 ページ: 65-78

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On Descartes' Clear and Distinct Perceptions and its Relation to Ideas2013

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Imai
    • 雑誌名

      Proceedings of The 8^<th> BESETO Conference of Philosophy

      巻: 8 ページ: 83-89

  • [学会発表] On Descartes' Clear and Distinct Perceptions and its Relation to Ideas2013

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Imai
    • 学会等名
      The 8^<th> BESETO Conference of Philosophy
    • 発表場所
      北京大学(中国、北京)
    • 年月日
      2013-10-12
  • [学会発表] デカルトにおける三種の区別の議論とその背景2013

    • 著者名/発表者名
      今井 悠介
    • 学会等名
      日本哲学会
    • 発表場所
      お茶の水女子大学(東京都文京区)
    • 年月日
      2013-05-11

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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