研究課題
(1)可視光透過観察によるSiCの溶解界面のIn-situ観察咋年度までの研究にて、SiCのワイドギャップ性に由来する広い可視光透過性に着目し、SiC結晶背面から成長界面をln-situ観察することを考案した。白色光源を用いた明視野観察により、界面モフォロジー観察およびポリタイプの識別(バンドギャップの差により色調が相違)に成功し、さらに、SiCウエハ上下面での単色レーザー光の反射時の光路差を利用した干渉観察を導入し、5nmの分解能での界面の高さ計測法を確立した。1000℃以上での異相界面の観察は世界初であり、少なくとも1500℃まで観察可能であることを確認している。本法を利用し、メルトバック(溶液成長前のSiCウエハ表層の溶解除去プロセス)時の界面挙動を調査するため、溶融合金へのSiCの溶解挙動を調査した。明視野観察により、SiCウエハに内在する貫通らせん転位を起点とした六角形状のピット形成を伴う溶解挙動の観察に成功した。さらに干渉観察にてピットの3次元の形状の変化を明らかにし、溶解カイネティクスを解明した。メルトバック時に深いピット形成を生じる可能性はこれまで想定されてこず、その影響を指摘するとともに、溶解界面の制御指針を提示した。(2)SiCの溶液成長界面のIn-situ観察SiCの溶液成長界面の観察を行い、スパイラル成長、ステップフロー成長、アイランド型の各種成長モードを捉えることに成功した。さらに、ステップフロー成長の進行によりスパイラル中心が覆われることで、スパイラルが活動を停止する様子を捉え、成長条件により優先的な成長モードが存在することを明らかにした。さらに、明視野観察と干渉観察の同時観察装置を新規に作製し、高さ方向の分解能2nmにて、成長界面の動的挙動を3次元的に捉えることに成功した。本観察法を利用して成長時の界面形状と過飽和度との関係を調査し、成長カイネティクスを解明した。
(抄録なし)
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金属
巻: 84 ページ: 36・43
Journal of Applied Physics
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