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2013 年度 実績報告書

ステモフォリンの合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 11J10899
研究機関東京大学

研究代表者

井手上 英司  東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード有機合成 / 天然物合成 / アルカロイド
研究概要

ステモフォリンは、Stemona japonicaから単離構造決定されたステモナアルカロイドである。本化合物および類縁体には殺虫作用や子宮収縮抑制作用、胃の悪性腫瘍細胞に対する細胞毒性など興味深い生物活性が多く存在する。また、低分子量ながら極めて特異で複雑な骨格を有しており合成化学的にも非常に興味深い化合物である。我々は、このような特徴を有する本化合物の効率的な初の不斉全合成を達成すべく合成研究を行なった。
本年度は前年度に合成をしたアリルスルホキシドを用いてアニオン環化反応の検討をまず行った。原料に対してLHMDSを作用させた後、TMSClを作用させたところ驚くべきことにTMS基が2つ導入された環化体が得られることが判明した。得られた化合物は当初想定していた化合物とは異なっていたが、意図せずして導入されたシリル基を活用することを試みた。すなわち得られた化合物に対して加熱処理を施したところSila-Pummerer反応が進行しチオエステルを得ることに成功した。さらにTMS基の除去と環化反応を行いラクトンへと導いた。しかしラクトンのα位に対してメチル基の導入を行ったところ、目的の立体化学とは逆であることが分かった。そこで別の方法を試みた。当研究室で発見されたトリエチルシランを用いた還元反応を適用することでアルデヒドへと導き、さらにメチル基の導入と異性化を行うことで目的の立体化学を有するメチル化体を得た。そしてラクトンへと変換を行い、ステモフォリンが有する主骨格の構築を完了した。
また、一方でモデル化合物を用いたγ-イリデンテトロン酸骨格の新規構築法を開発した。ラクトンをまずチオノラクトンへと変換後、トリフルオロメタンスルホン酸メチルで活性化を行い、プテノリドのアニオンを作用させることでγ-イリデンテトロン酸骨格が構築できることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

全合成を達成することはできなかったが、天然物の主骨格の構築を完了したため。さらに残る課題であるγ-イリデンテトロン酸骨格の構築に関してもモデル化合物にて新規構築法を見出した。最終年度が終了したということで本研究を投稿論文としてまとめる。

今後の研究の推進方策

最終年度が終わり、天然物の主骨格の構築という一定の区切りまで達成したため、論文投稿を目指し今後執筆活動を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Synthetic Studies on Stemofoline2013

    • 著者名/発表者名
      Ideue Eiji
    • 学会等名
      24^<th> International Society of Heterocyclic Chemistry Congres
    • 発表場所
      Shanghai, China
    • 年月日
      20130908-13

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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