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2011 年度 実績報告書

紫外および赤外プラズモニックナノ材料の開発と電磁気応答制御

研究課題

研究課題/領域番号 11J10906
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

柳沼 晋  独立行政法人理化学研究所, 田中メタマテリアル研究室, 特別研究員(PD)

キーワードプラズモン / メタマテリアル / 卑金属 / ナノ材料
研究概要

本研究では、紫外および赤外帯域においてプラズモニック効果を示すナノ材料を開発し、それらの電磁気応答を制御することを目的とする。本年度は、卑金属ナノ構造体を用いた紫外プラズモニクスの開拓に向けて、ナノ粒子の試料作製・評価手法の確立から着手し、紫外可視近赤外分光光度計を用いてプラズモン共鳴などを調べた。
従来のプラズモニック・メタマテリアルでは金や銀など貴金属が用いられたのに対し、卑金属であるビスマス(Bi)とガリウム(Ga)はそれぞれ赤外帯域と紫外帯域においてプラズモニック効果を示す。そこで、卑金属ナノ粒子を基盤に、それらの階層構造をメタマテリアルの構成要素とするための材料探索を行った。まず、金(Au)をガラス基板上に真空蒸着して微粒子状の膜を成長させ、その粒子径を可視光スペクトルを用いて測定した。現在、同様の手法をBiやGaに適用するための条件出しを行っている。また、試料評価方法の拡充にも努め、例えば、原子間力顕微鏡(AFM)で測定したフォースカーブの解析から、試料表面の詳細かつ精密な情報が得られるようになった。
卑金属ナノ粒子の作製はボトムアップ手法を主軸としていることから、これまでに得られた知見は、3次元的なメタマテリアルの大量生産にとって重要である。さらに、BiやGaは外場に応じて多様な構造変態を生じることが知られており、構造相転移や誘導自己組織化を利用して卑金属ナノ粒子の電磁気応答を制御できれば、再構成やスイッチングが可能な動的メタマテリアルの開発に繋がるという意義がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までに、真空蒸着と複合化した様々な試料作製方法を試みており、卑金属(特に赤外プラズモニック材料としても有望なBi)のナノ構造体作製において必要となるノウハウを蓄積できたため。

今後の研究の推進方策

赤外プラズモニクスに対するアプローチとして、低次元プラズモンと並行し、半金属であるBiの赤外プラズモンの可能性を検討することにした。これに伴い、研究計画で述べた2次元および3次元型卑金属ナノ材料の研究を優先させる。今後、作製した卑金属ナノ粒子に様々な外場(電場・磁場・温度場など)を印加し、構造相転移や誘導自己組織を誘起した上で、プラズモニック効果の検出とその外場依存性の評価を進めていく計画である。また、本研究の進展を図るため、国内学会や国際会議における調査・発表を積極的に行いたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Edge States of Bi Nanoribbons on Bi Substrates : First-Principles Density Functional Study2012

    • 著者名/発表者名
      H.Kotaka, F.Ishii, M.Saito, T.Nagao, S.Yaginuma
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Applied Physics

      巻: Vol.51 ページ: 025201

    • DOI

      10.1143/JJAP.51.025201

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Thickness dependent phase transition of Bi films quench condensed on semiconducting surfaces2011

    • 著者名/発表者名
      D.N.McCarthy, S.Yaginuma, G.Han, T.Nagao
    • 雑誌名

      CrystEngComm

      巻: Vol.13 ページ: 4604-4610

    • DOI

      10.1039/clce05120b

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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