研究課題/領域番号 |
11J10939
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小山 耕平 京都大学, 生態学研究センター, 特別研究員PD
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キーワード | 植物 / フラクタル / 光合成 / 形態 / ウバユリ / パターン形成 / 動的スケーリング則 / 野外生態系 |
研究概要 |
申請者は、申請書に於いて「葉の空間配置が自己相似性(フラクタル性)を持てば、それぞれの葉の受光量の空間分布も自己相似性を持つのではないか」いう新しい仮説「個体内・光のフラクタル分布仮説」を提唱した。以上を、「個体内・光のフラクタル分布仮説」(="光のパイプ・モデル")として提唱した。 本年度では、植物の形態および機能のフラクタル構造を明らかにするために、石川県立大学附属農場に於ける草本(キクイモ)、木本(アカメガシワ)、石川県林業試験場において草本(ウバユリ)の形態計測を行った。その結果、草本の成長において、申請書で予測した結果(動的スケーリング則および、成長するパターンの時間依存べき乗則)が得られた。 これらの成果に於ける意義を述べる。これまでの動的スケーリング則は、塩化アンモニウム樹枝上結晶の成長や、液晶パターンの成長など、「実験室で、環境を制御した場合にのみ」観測されていたものであった。本研究の成果は、これらの「非生物・制御環境下」でのパターン成長に於いて研究されてきた動的スケーリング則、および時間依存べき乗則を、野外生態系に於ける植物の成長へと拡張するもので、これまでに全く報告例のない、画期的なものである。 さらに、形の科学会で上記の成果について口頭発表を行った際に、液晶パターンを研究する物理学者が結果に興味を持ち、その研究者と共同でこれらの結果を論文にまとめていくことになった。現在、英文論文を投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
得られた結果を学会で単に発表するだけでなく、その成果発表を通じて異なる分野の共岡研究者を得ることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
来年度から、木本(ネジキ、アカメガシワ、コナラ、イヌツゲ、シキミ)等の伐採を行い、それらの当年枝の成長量の計測を行って、樹木個体内の光合成速度の個体内分布を明らかにする、現在、伐採木の探索を行っている。
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