研究課題
本研究は、理論的な計算、環境開発、シミュレーション、および実験の4段階によって行った。研究目的を達成するために、次の点について研究を行う。まず、JXTA-Overlayの新しい機能の実装とセキュリティ機能の実装を行い、その実装の検討と評価を行った。応用としては車車間・ネットワークの実装と評価を行った。また、セキュリティ・アルゴリズムを実装し、セキュアJXTA-OverlayP2Pシステムの実験を行い、その評価について検討した。本研究の実施した研究を以下に示す。第1にJXTA-Overlayの新しい機能の実装を行った。JXTA-Overlayは、JXTAベースのアプリケーションに必要とされる基本的な機能を提供するものである。申請者等が開発したJXTA-Overlayでは、ピアの発見、ピアのリソース発見、リソース割り当て、タスク管理と実行、ファイル・シェアリング、ファイル発見と伝送、およびインスタント通信の機能を利用者に提供する。申請者は、遠隔制御システムに利用している。ここで、ピアをグループごとに管理したい場合に、ピアグループ機能、ピア監視とグループとタスクの監視機能が必要となる。このために、上記の機能を実装した。第2に新たなアルゴリズムとプロトコルの検討、実装と評価として、従来のJXTA-Overlayには,二つのアルゴリズムが実装されていた。一つは,ピアの判定であり、もう一つはファイルを検索するためのアルゴリズムである。これら二つの実行プロシージャはよく似ている。どちらのアルゴリズムもアプリケーションによって呼び出され、ブローカ(Broker)内で実行される。去年度まで、その機能の一部が実装されている状態であった。そのため、プリミティブの生成と実行したことを通知するEventの生成が必要であったため、新しいアルゴリズムを実装した。また、知的アルゴリズムに基づいてP2Pシステムの経路制御、ピアの信頼性、リソース割り当てのための新しいアルゴリズムとプロトコルの提案と実装を行った。この他にも、「セキュリティ・アルゴリズムの検討、実装と評価」と「ロボットをピアとしての実装」することを実現することができている。
1: 当初の計画以上に進展している
申請時の年次計画どおり研究を進むことができている。また、その成果としてこの1年で学術論文に4編(第1著者1編)、国際会議(査読付き)に21編(第1著書7編)採録され当初の予想よりも多くの研究成果を得ることができた。さらに、国際会議BWCCA-2011では"BestPaper"賞、IEEEAINA-2012国際会議では"Highly Commended Paper"賞を受賞しており,世界的にも研究の内容が評価されている。
今後の研究の推進方策として、初年度の研究成果をベースに、以下の研究を行う。1.小型無線端末のためのJXTA-OverlayP2Pシステムの実装2.ICタッグカード機能の実装3.ピアのPresence機能の実装4.無線環境のためのセキュリティ機能の拡張5.ロボット通信の応用6.アドホック・ネットワークの応用
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (23件) 備考 (1件)
International Journal of Distributed Systems and Technologies
巻: Vol.3, No, 3 ページ: 205-219
DOI:10.1142/S0219265911002952
International Journal of Space-Based and Situated Computing (IJSSC), Inderscience
巻: (掲載確定)
Journal of Grid, Utility and Computing
巻: Vol.2, No.2 ページ: 130-138
DOI:10.1504/IJGUC.2011.040600
Journal of Mobile Information Systems
巻: Vol.7, No.3 ページ: 169-188
DOI:10.3233/MIS-2011-0116
http://voyager.ce.fit.ac.jp/~evjola/