研究概要 |
1, TTLの立体構造解析 昨年度までに、TTLの立体構造解析に向けて、TTLのコンストラクトの最適化を行い、NMR測定で良好な結果が得られるコンストラクトを作成した。このコンストラクトを用いて、発現、精製を行うことにより、NMR測定サンプルを得ることができた。このサンプルを用いてTTLの活性に必要なマグネシウム、基質であるチロシンとの相互作用が検出できている。また精製サンプルを用いて、現在、NMRによる動的な構造解析を進めている。 2, Tubulinの発現系の構築 α-tubulinとβ-tubulimを共発現させることにより、大腸菌でのTubulinの発現を試みた。発現過程でのtubulinのアセチル化や発現条件、大腸菌の破砕条件などを検討して、高純度、高収量でtubulinを精製できるよう改善を行っている。 3, タンパク質の発現条件の改善 カイコ(幼虫)によるタンパク質の大量生産は、細胞培養、ウィルス作成、タイター測定などの必要がなく、発現系の構築から組み換えタンパク質の抽出まで二週間程度で完了することが利点である。この、カイコを用いたタンパク質の発現系を用いて、大腸菌では発現が困難な活性型蛋白質を高発現での発現、精製に成功した。この結果については、現在論文作成中である。 4, SAHRP! SMRT複合体の立体構造解析 昨年度までに、転写抑制共役因子SHARP/SMRT複合体の形成がcasein kinase2によるリン酸化によって制御されることを発見し、SAHRP/SMRT複合体の立体構造を決定した。これらの結果をまとめ、論文を発表した。
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