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2013 年度 実績報告書

現代アフリカ農村における脱農民化・生計多様化と開発:ケニア西部の事例から

研究課題

研究課題/領域番号 11J40154
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 紀子  東京大学, 社会科学研究所, 特別研究員(RPD)

キーワードケニア / 貧困 / 脱農業化 / 生計多様化 / 社会ネットワーク
研究概要

ケニアブニャラ県農村における継続調査と、昨年より開始されたケニアとインドネシア稲作農村における比較調査の成果の一部について、2013年5月の「日本アフリカ学会」と6月の「国際開発学会春季大会」において、口頭発表を行った。2013年5月に、日本アフリカ学会誌『アフリカ研究』にブニャラ県における調査の成果を論文として発表した。ケニアにおける現地調査結果を踏まえ、全農林労働組合の雑誌『農村と都市をむすぶ』に、TICADの開催を踏まえて関心が高まっている、日本のアフリカに対する支援の在り方に関する論考を寄稿した。2013年12Aと、2014年2月にインドネシアとケニアへ渡航し、昨年度の追跡調査を実施した。インドネシアでは、稲作農村における収量や所得を世帯調査によって明らかにし、昨年度のものと合わせてパネルデータの収集と編集を行った。地域政府や農家組合事務局を訪問し、土地利用図、人口、組合の活動、米輸出に関する資料の収集、確認と担当者へのインタビューを実施した。ケニアでは、ブニャラ県において、調査対象とする3村の世帯をまわり、質問票調査を行った。とくに、家族構成や親族関係、儀礼親族関係に関する質問票調査や確認作業を詳細に行った。さらにインドネシア農村との比較研究のため、ムエア灌概地区(Mwea Irrigation Scheme)の農家を訪問し、生計と農業、社会関係における追加調査を実施した。2014年3月には、日本、東南アジア、メキシコ、ナイジェリアをフィールドとする農家や農業・農村研究者を東京に招聘して開催された国際シンポジウム(『有機農業とコミュニティ : 明日への戦略』、予算 : 環境総合推進費「持続可能な発展と生物多様性を実現するコミュニティ資源活用型システムの構築」、研究代表東京大学矢坂雅充准教授)および環境省において、成果の一部を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究成果の一部を雑誌論文として発表することができ、学会発表、雑誌への寄稿によっても多くの人に研究内容を発表できた。調査村でも追加調査によりデータの確認と詳細な分析を加えることができた。

今後の研究の推進方策

ブニャラ県における調査を継続し、ケニア全国が経済発展する中で、農村の生計や社会関係の変容を具体的に捉えていきたい。また、投入節約的な自然農業の維持との関連から、他国の有機農業や農村開発研究者との比較研究を進展させ、地城コミュニティと自然農業を生かした貧困削減の展望や、日本のアフリカ開発援助がどのように貢献できるのかについて研究成果をまとめ、広く発表を行う予定である。アフリカ農村の変容を国際経済の中に位置づけ、持続的な農業、国際開発政策へ向けた含意を得る研究として仕上げることを予定している。さらに、関速するインドネシアでの農村調査結果をまとめ、比較分析を通じて研究の国際的な発展を図りたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ケニア農村世帯の生計戦略と親族関係 : 西部州ブニャラ県における家計調査データ分析を通じて2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤 紀子
    • 雑誌名

      アフリカ研究

      巻: 82 ページ: 1-14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ケニアの自給的農業 : 辺境農村の3つの「多様性」2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤 紀子
    • 雑誌名

      農村と都市をむすぶ

      巻: 745 ページ: 51-55

  • [学会発表] 環境親和的農法SRI (System of Rice Intensification)の普及と社会ネットワーク : インドネシアとケニアの比較2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤 紀子
    • 学会等名
      国際シンポジウム(有機農業とコミュニティ : 明日への戦略)
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2014-03-01
  • [学会発表] 環境保全的農法システムの普及と社会関係 : インドネシア・ケニア稲作農村における世帯調査を通じて2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤 紀子
    • 学会等名
      国際開発学会(春季大会)
    • 発表場所
      宇都宮大学
    • 年月日
      2013-06-08
  • [学会発表] ケニア稲作農村における新農業技術普及と社会ネットワーク2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤 紀子
    • 学会等名
      日本アフリカ学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2013-05-25

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公開日: 2015-07-15  

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