研究課題/領域番号 |
11J40232
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
東島 恵美子 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 特別研究員(RPD)
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キーワード | 発達障害 / 学習障害 / 自閉症スペクトラム陳害 / ゲノム・バリエーション / コピー数多型 / 眼球運動 / 障害児教育 / 視覚情報処理 |
研究概要 |
本年度は、年初の計画に基づいて、以下の研究を行った。 (1)行動介入の実施と記録、調査 岡崎市を中心にして、発達障害(主に自閉症スペクトラム)の幼児から低学年小学生に行動介入を導入して、その記録を取った。理学研究所倫理委員会の承認を経た後、児童の保護者に目的・方法の説明をして、了承を得て研究協力を依頼した。結果の一部を、日本行動療法学会第39回大会でポスター発表した。現在、特に2つのケースについて、自発語の伸びや姿勢の安定についてケースレポートにまとめる準備をしている。 (2)余暇活動として絵を描くための適切な教材の作成 視覚情報処理の考え方に基づいて、描画(余暇課題としてのお絵かき)を促進する教材を提供するとともに、児童の経過を記録した。本年度中にケースレポートにまとめる予定。 (3)描画時眼球運動の測定 上記(2)に伴って、描画時に視線がどのように動くかを健常成人において測定した。線をなぞるときに視線が先行するという予備的な結果を得た。引き続き実験プロトコル作成や測定を行い、人間が描画時にどのようなストラテジーを取っているかを推測したいと思っている。 (4)発達障害のゲノム解析について論文検索、総説の執筆 名古屋大学医学系研究科精神医学分野の協力を得て、総説(英語および日本語)の執筆を行った。 (5)発語と要求言語に関する著作 神経科学および米国の療育のメソッドを引用し、幼児期の要求言語の重要性についてまとめた。行動科学学会ブックレット「話す―話すときに何が起こっているのか―」を2013年11月に二瓶社から出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、昨年度に引き続き、英文総説の執筆や著作の出版を行うことができたため一定のアウトプットができたが、一方で、ケースレポートの投稿に至らず、次年度(26年度)に行うこととする。眼球運動の測定については順調に進んでおり、26年度に継続して行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
描画時の眼球運動の測定を行うことで、基礎的な研究を行うが、装置が生理学研究所大脳皮質機能研究部門にあるので引き続き、そちらを利用することとする。療育の調査や身体運動の測定については、名古屋大学医学部と共同で行う。
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