研究分担者 |
加藤 静吾 山形大学, 理学部, 教授 (70013422)
藤井 優 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30302079)
中村 哲 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50280722)
前田 和茂 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20125652)
高橋 俊行 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50281960)
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研究概要 |
本研究は、ラムダ・ハイパー核を電磁相互作用によって研究し、"奇妙さ"量子数を持つハドロン多体系のユニークな構造、ラムダ核子間相互作用を究明することを目的とする。我々は最近KEKにおいて(π+、K+)反応の特長を生かしたラムダハイパー核研究を成功させ、高精度高効率分光研究を確立した。本研究では中間子ビームの対局にある、電磁相互作用によるハイペロン生成反応によるラムダハイパー核生成過程の特長を最大限に生かし、Λハイパー核構造の定量的研究を質的に発展させることを目標とする。(1)既に米国ジェファーソン研究所で高エネルギー連続電子線ビームを用いて(e,e'K+)反応による分解能900keVのラムダ・ハイパー核分光に初めて成功した。また、実験効率を50倍以上、分解能も3-400keVの分光実験を実現するため高分解能K中間子スペクトロメータの建設を本研究の中心プロジェクトとして進めている。本年度は特に、既に完成した大型磁石(QQD)の精密磁場測定をほぼ終了した。スペクトロメータの粒子飛行時間測定器,粒子軌跡検出器を製作し,π,K, pビームによるテストを行った上で,ジェファーソン研究所に輸送した。本スペクトロメータを用いた実験により、重いΛハイパー核束縛状態の構造を精密に測定し核内におけるストレンジクォークの役割を究明することを目指している。(2)一方、東北大学原子核理学研究施設1.2GeV周回電子線を用い、標識化光子による1GeV近傍でのストレンジネス生成素過程の研究をすすめ,初めて12Cをターゲットとする準自由反応で生成した中性K中間子の観測に成功した。同時に,重水素ターゲットが製作され最後の調整を行っている。この研究は、上記電子線ビームによるΛハイパー核生成過程を解析する上で重要な役割を果たす。現在、詳細な解析が進行中であり、電磁相互作用によるストレンジネス生成過程に関する理論模型との比較が行われる。
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