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2000 年度 実績報告書

神経細胞特異的ポリオウイルス感染機構と病原性

研究課題

研究課題/領域番号 12002004
研究機関東京大学

研究代表者

野本 明男  東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70112670)

キーワードポリオウイルス / 感染モデルマウス / ポリオウイルス受容体 / 体内伝播 / 血液脳関門 / 神経軸索輸送 / 神経病原性 / IRES
研究概要

ヒトとサルのみに感染するポリオウイルスの強毒マホニー株は、ゲノムRNAの塩基番号928がAからGに変化(カプシド蛋白質VP4のアミノ酸番号62がIleからMetへ変化)すると、マウス脊髄の神経細胞表面分子をレセプターとして認識し、マウス脊髄に適応した変異株となることを既に報告した(Jia et al.,1999)。この変異株から復帰変異株を得、そのゲノムを解析した。その結果、サプレッサー変異株は、VP1のアミノ酸番号107がValからLeu,VP2のアミノ酸番号33がValからIle、またはVP3のアミノ酸番号231がIleからThrへと変化した変異株であった。これらのアミノ酸残基は、ウイルス粒子立体構造上では表面近くであったり、内部に位置していたり、VP4の変異点近くであったりと様々な位置に存在していた。これらのサプレッサー変異により、本来のポリオウイルスレセプター(PVR)のみを認識するようになることから、PVRの認識に働くキャニオンの構造は、60コピーずつの4種類のカプシド蛋白質全体により形成されるウイルス粒子構造に影響を受けていることが示された。
PVRとして働く分子は2種類(PVRαとPVRδ)知られている。これら分子の極性細胞における局在性を検討したところ、異なる局在性を示した。ポリオウイルスのエンドサイトーシスにはPVRδがより強く関与していることを示唆した。
神経細胞SK-N-SHを使用し、ポリオウイルスによる神経病原性を解析した。他の培養細胞(HeLa細胞など)とは異なり、SK-N-SH細胞のポリオウイルスによる細胞変性効果は、2回目の感染後に現われることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Iwasaki et al.: "Transgenic mice bearing human poliovirus receptor for quality control."Pharmeuropa. Special Issue. 59-68 (2000)

  • [文献書誌] K.Murakami et al.: "Down regulation of translation driven by hepatitis C virus internal ribosomal entry site by the 3' untranslated region of RNA."Arch.Virol.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] T.Isoyama et al.: "Nuclear import of yeast AP-1 like factor is mediated by the transport receptor Pse1/Kap121p, and this import step is not affected by oxidative stress."J.Biol.Chem.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] S.Ohka,A.Nomoto: "Developments in Biologicals"International Association for Biologicals(in press). (2001)

  • [文献書誌] M.Gromeier,A.Nomoto: "Molecular Biology of Picornaviruses"American Society for Microbiology(in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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