研究概要 |
金ナノワイヤを超高真空電子顕微鏡内で作製し,高分解能顕微鏡像から構造を解析した.その結果,金結晶の面心立方構造とも異なる構造を持つことが分かった.さらに,ナノワイヤの太さが特定の離散的値をとることが分かった.最も細いナノワイヤの構造が7本の金原子列がラセン状に巻いたチューブ構造を持つことが分かった.離散的な直径は,チューブが同心円状に多層積み重なった多重殻構造で説明できた.多層殻構造を各チューブを構成する原子列数で呼ぶと,7-1,11-4,12-5,13-6,14-7-1構造が生成されていることが分かった(論文1). 量子接点を作製して,ナノワイヤの電気伝導を構造と共に計測するため,既往の超高真空電子顕微鏡に走査型トンネル顕微鏡を製作して組み込んだ. また,走査型プローブ顕微鏡を購入し,次年度に予定する電子顕微鏡に組み込める.AFM装置の製作の準備(基礎データの取得)にとりかかった. 超高真空装置に量子コンタクトを作製する機構をつくり,ナノワイヤの量子伝導を計測した.金属だけでなく半導体の量子コンタクトについて行った.結果は論文に纏めて,発表予定である.
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