研究分担者 |
谷城 康眞 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40143648)
大島 義文 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80272699)
平山 博之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60271582)
箕田 弘喜 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20240757)
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研究概要 |
本年度の研究目標としてあげた項目の中から下記の優先研究課題について推進させた. (1)平成13年度に納入された高分解能電子顕微鏡(超高真空付き)に高輝度電子銃と収差補正レンズを取り付けて,接点の構造をより高い分解能で観察する課題については、非点補正装置のハード部の完成にいたったが、物理実験を開始する段階には至らなかった.(全体課題) (2)量子コンタクトに形成されたナノワイヤについて,AFMを用いて接点圧力とコンダクタンスの関係を検討する課題では、全年度までの光テコ式で無く,歪みゲージ型のカンチレバーを採用した新AFMを開発した.この新装置では,カンチレバーと試料との位置合わせの自由度を加えて,光テコ式では出来なかった装置上の問題点を解決できた.(箕田) (3)STMを組込んだ超高真空電子顕微鏡によって、金の多重殻構造を構成する原子列の数とコンダクタンスの関係を明かにする課題では,コンダクタンスと構造の関係が従来のメソスコピック理論では説明出来ないこと,新たな理論提案が必要なことが分かった.(大島) (4)STMを組込んだ超高真空電子顕微鏡によってバリスティック伝導の基本を検討する課題では,ナノモータを利用した超小型軽量のSTMを新たに開発し,超イオン伝導体のAgIに電界を印加して長い銀ナノワイヤを成長させることにほぼ成功した.その結果,AgIから成長した銀ワイヤの電気伝導が量子化されることを確認した.今後,弾道的な伝導から拡散的伝導への移行過程を明かにしていく課題の基礎が終了した(谷城) (5)磁性ナノワイヤの構造とコンダクタンスに関して,スピンが関与したコンダクタンスを検討する課題では,機械制御式接点破断法(MCBJ)を採用した接点の精密制御を開発し,この方法が従来のSTM法より数倍安定にナノワイヤを形成・保持できることを確認し,金以外の金属ナノワイヤの接点についての研究を開始した.(高柳) (6)表面に自己組織的に形成されたナノワイヤのコンダクタンスに関する研究では,シリコン表面ならびにその上に成長したBi膜の電気伝導率の計測を行い,Bi膜形成に伴う表面抵抗値の変化を計測することにより,表面抵抗値の変化を明かとした.(箕田)
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