研究課題/領域番号 |
12002005
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
物理系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高柳 邦夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80016162)
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研究分担者 |
箕田 弘喜 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (20240757)
谷城 康眞 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40143648)
大島 義文 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80272699)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 量子ポイントコンタクト / バリスティック伝導 / 非線形コンダクタンス / 超イオン伝導体 / ヘリカル多層ナノワイヤ / 原子鎖 |
研究概要 |
本研究は「ナノ接点に形成される量子ナノワイヤの電気伝導と力学現象」について研究を推進させた。本研究では、ナノスケール現象を研究するための新手法の開発にも努め、プローブ顕微鏡を組込んだ超高真空電子顕微鏡を製作して、ナノ接点の構造と電気伝導や張力を同時観測する手法の開発を推進させた。 研究成果の中で特筆すべきものは、(1)魔法数7のヘリカル多層構造(HMS)をもつ金ナノワイヤーについて構造とコンダクタンスの同時計測し、接触点で対称性不整合があるため整数コンダクタンス量子条件が破綻することを明かとした。(2)金や白金の単層ナノチューブを始めて発見した。(3)スピンによる半整数コンダクタンス量子の可能性、非線形コンダクタンス、バリスティク伝導破綻を研究した。(4)原子鎖の金属・絶縁体転移について「金の原子鎖がダイマー対構造の絶縁体となると、0.36〜0.4nm程の原子間隔をもちうる」可能性を示した。(5)小型AFMを組込んだ超高真空電子顕微鏡を開発し、ナノ接点に張られたナノワイヤの張力を得た。さらに、(6)新デザインの収差補正レンズを開発し、直径0.1nm以下のスーパーナノプローブで個々原子の同定を行なう顕微鏡法を導入した。 以上を纏めると、本研究では、「量子コンタクト」に形成される金属ナノワイヤやナノチューブ、あるいは原子鎖などの予想を越えた具体的姿や性質をSPMを組込んだ超高真空電子顕微鏡法で具体的に明かとした。
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