研究分担者 |
金嶋 聡 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80202018)
平田 岳史 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10251612)
廣瀬 敬 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50270921)
趙 大鵬 愛媛大学, 理学部, 助教授 (70304665)
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研究概要 |
高橋らはマントルプルームの構成物質、温度、マグマの多様性を生ずる原因などを解明する目的でハワイ諸島周辺の海底調査を行った。採取した岩石の地球化学的研究と高温高圧融解実験から、ハワイホットスポットでマグマを生成する起源物質は従来の予想(ペリドタイト)ではなく、プルーム内に含まれる太古の海洋地殻成分(エクロジャイト)が主であることが明らかになった。 Takahashi & Nakajima (2002)の提案する新たなモデルではハワイプルームの温度は従来の予想より200℃低温であり、かつそれに含まれるエクロジャイト成分は1000km^3の大きさを持つことがわかった。プルームに含まれるエクロジャイト成分を構成する各種鉱物を合成し、その弾性的性質をKEKおよびSPRING-8の放射光施設でX線その場観察により決定した(Nishihara, Takahashi,2003)。 広瀬の高圧実験結果、1)下部マントル中部で金嶋らが地震観測に成功した地震波散乱体は沈み込んだ海洋地殼であると考えられること、2)660km地震波不連続面付近に滞留した海洋地殻が上昇するプルームに取り込まれる仕組みが明らかになった(Hirose,2002)。趙らは全地球トモグラフィー観測に基づいて地球上の45個の主要なホットスポットの地下構造を解析した。その結果主要なホットスポットはいずれも核・マントル境界に根を持つプルームを伴うが、多くの場合660kmにある上部マントルと下部マントルの境界面付近でプルームの構造が変化することが明らかになった(Zao,2001,2003)。
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