研究概要 |
(1)BHK21細胞より完全な機能的半数体を持つ細胞株の樹立を開始した。(2)RCC1遺伝子に温度感受性変異を持つマウス株の作成。現在、RCC1+/RCC1^<ts>の遺伝子型のマウスが誕生しつつある。来年度中にはその結果が判明する(3)Ran GTPaseネットワークの機能。(1)adenine,2'-dA、dATPを細胞にマイクロインジェクトする準備を始めた。(2)分裂酵母RanGAP1が直接にHistone H3-K9 methyltransferaseの活性制御に関与しているようである。SNF2とRanサイルクルの相関は未だ不明。(3)分裂酵母pim1のサプレッサーとしてRNA結合蛋白質が分離された。また、RanGAP1はcentromere領域のouter repeatとcentral coreの両方の形成に関与することが、明確となった。(4)出芽酵母のRCC1相同体prp20及びRanGAP相同体rna1のサプレッサーとして低分子量G蛋白質Gtr1p,Gtr2pを分離している。Gtr1のヒト相同体としてRagA、Bが報告され我々はヒトGtr2相同体Rag C,Dを新たに同定した。さらにRagA GTPに特異的に結合する蛋白質として分子量132kDaのNOP132とp132を同定している。現在、NOP132とrRNA代謝との相関が明らかになりつつある。(5)RCC1欠損により何故にS期が開始しないかを研究するための準備がととのった。
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