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2001 年度 実績報告書

一分子生理学の立ち上げ:一個の分子機械の機能と構造変化の直接観察

研究課題

研究課題/領域番号 12002012
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

木下 一彦  岡崎国立共同研究機構, 統合バイオサイエンスセンター, 教授 (30124366)

研究分担者 伊藤 博康  浜松ホトニクス(株), 筑波研究所, 専任部員(研究職)
キーワード一分子観察 / F_1-ATPase / 磁気ピンセット / トルク / 蛍光ATP / ATP結合 / ATP合成 / ミオシンV
研究概要

1.F1-ATPaseの回転機構
磁気ピンセットにより磁気ビーズを結合させたF_1-ATPaseの回転を制御し、停止トルクを測ることを試みた。今のところ絶対値に問題があるが、ATP結合を待つ位置近辺でトルクが小さくなるという結果が得られた。また、蛍光性ATPを用い、F_1-ATPaseへのATPの結合を可視化した。単に結合を見るだけでなく、偏光測定により3つの結合部位のどれに結合したのかも分かるようになった。(期待される)結合部位へのATPの結合に同期してステップ回転が起きること、蛍光ATPは2ステップ分の間結合しっぱなしであること、などが分かった。さらに、磁気ピンセットを用いてF_1-ATPaseを強引に回転させながら、どの角度で蛍光ATPが結合しどの角度で離れるかを測れるようになった。逆回転によるATP合成の証明も、めどが付きつつある。
2.ミオシンVのアクチンの周りの回転
2本足を使って歩くと考えられているミオシンVにつき、アクチン線維上の歩行に伴う回転の検出を試みた。2個の大きなビーズを橋渡しするようにアクチン線維を張っておき、その上を小さな双子ビーズを結合させたミオシンVが動くところを観察した。双子ビーズは左ねじのように回転しながら進んでいった。右巻きらせんのアクチン線維の上を左回転したというこの結果は、ミオシンVがアクチンのらせんに沿って滑るのでなく、大股に歩くことを示す。そのときの歩幅は34.8nmと見積もられた。
3.リボソームの翻訳過程の可視化の試み
観察に必要な長いmRNAの調製に成功した。翻訳に必要なたんぱく質の多くにRnaseが混入していることが分かったので、Rnase欠損大腸菌株を用いて新たにたんぱく質を発現させた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Harada, Y. et al.: "Direct observation of DNA rotation during transcription by Escherichia coli RNA polymerase"Nature. 409. 113-115 (2001)

  • [文献書誌] Yasuda, R., Noji, H., Yoshida, M., Kinosita, K.Jr., Itoh, H.: "Resolution of distinct rotational substeps b submillisecond kinetic analysis of F_1-ATPase"Nature. 410. 898-904 (2001)

  • [文献書誌] Noji, H., Bald, D., Yasuda, R., Itoh, H., Yoshida, M., Kinosita, K.Jr.: "Purine but not pyrimidine nucleotides support rotation of F_1-ATPase"J.Biol.Chem.. 276. 25480-25486 (2001)

  • [文献書誌] Hirono-Hara, Y. et al.: "Pause and rotation of F_1-ATPase during catalysis"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 98. 13649-13654 (2001)

  • [文献書誌] Ishiwata, S., Tadashige, J., Masui, I., Nishizaka, T., Kinosita, K.Jr.: "Microscopic analysis of polymerization and fragmentation of individual actin filaments"Molecular Interactions of Actin. 32. 79-94 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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