リコンストラクションファームは、Belleのデータ収集システム(DAQ)から送られてくるデータを、複数のPCサーバーによりリアルタイムでDSTプロダクションを行ない、その結果を記録システムに送るものである。本年度はこのシステムの基幹部分のソフトウェア全般の開発を行なった。DAQから各PCサーバーノードにデータを振り分けておくるメカニズム、また逆に処理されたデータを集めるメカニズムは、ダブルバッファリング、リングバッファリング技術を用いて実装することにより、非同期処理が可能となり、FastEthernetによる接続では1ノードあたり5MB/secを越える速度で処理できることが確認された。ノード数を8まで増やしてテストしたが、現在はFastEthernetの速度の限界(10MB/sec)で処理能力が決まってしまうことがわかった。ネットワークをGigabit Ethernetに変えることによりさらに性能が向上すると思われる。また全体の制御機構は、NSMと呼ばれるDAQに使用されているネットワークの上でのメッセージ送受機構を用いて実装した。これによりDAQシステムと同期してリコンストラクションファームを動作させることができることが確認された。また各PCサーバーの上ではBelleグループがオフラインで使用しているソフトウェアをそのまま使用し、その動作を制御する必要があったが、このメカニズムも実装されて、動作が確認された。
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