研究課題/領域番号 |
12015239
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
藤田 晋輔 鹿児島大学, 農学部, 教授 (70032563)
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研究分担者 |
寺床 勝也 鹿児島大学, 農学部, 助手 (70264455)
服部 芳明 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80180909)
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キーワード | 地域資源循環型社会システム, / 有機性廃棄物, / 木質廃棄物, / メタン発酵 / 新エネルギーの構築 / 発酵残さ / 建築資材 / 農業資材 |
研究概要 |
【研究目的】屋久島ではこれまで産業及び生活から発生する廃棄物は焼却もしくは埋立てを行ってきた。しかし、環境保全の関連から産業廃棄物ならびに生活廃棄物の処理に対して大きな課題を抱えている。ここは(1)農業、水産業及び生活から発生する廃棄物の処理に困難をきたしていること、(2)屋久島は閉鎖系の環境にあること等が大きな理由である。屋久島における「ゼロエミッション構想」の実現に向け、「廃棄物ゼロをめざした地域資源循環型社会システム」を構築するためにパイロットプラントを設置し、循環型社会システムの構築を目標とした。 1.屋久島に設置したメタン発酵-炭化システムのパイロットプラントは日量0.7トン(古紙、生ごみ、家畜糞)を処理できる。これより創製されるエネルギー(メタンガス70Nm^3)を創製し、これらのプラントに電力供給する。メタン発酵残さはコンポスト(180トン)の原料もしくは炭化物45kg(農業資材、建築資材)が創製できる。なお、森林資源(間伐材、製材端材等)は炭化物の原料として創製される。 2.産業・生活複合化廃棄物等回収型処理システムによる新エネルギー及び各種エコマテリアルの創製技術を活用し、メタン発酵により発生したメタンガスをエネルギー化し、工場内の装置の動力源とし、発酵残さは炭化することにより建築資材、農業資材への活用が可能であることを明らかにした。 以上のように、平成10年度以降に提案した「廃棄物ゼロをめざした地域資源循環型社会システムの構築」と「屋久島エコタウン構想」が平成11、12年度の科学研究費の調査研究成果にもとづき、企業、鹿児島大学および屋久町の共同研究により平成12年度中にパイロットプラントを設置できた。したがって、12年度末よりパイロットプラントによる実証実験を開始、実用化に向けた準備に入る。これで文部省科学研究費特定領域研究は終了するが、平成13年度に申請してある科学研究費が交付されれば継続可能となる。しかし、最悪の場合で大学、企業等の研究費で継続し、屋久島におけるゼロエミッションを平成15年までにパイロット事業は完結させる。その後、日本だけでなく、海外に向けての情報および技術発信を目標とする。
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