研究課題/領域番号 |
12018202
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
太田 幸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
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研究分担者 |
山形 定 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80220242)
村尾 直人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00190869)
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キーワード | 大気エアロゾル / 多成分粒子系 / 化学成分分析 / 散乱係数 / 吸収係数 / 対数正規分布 / 電子顕微鏡解析 / 外部混合状態 |
研究概要 |
札幌および長崎県五島列島福江島において、大気エアロゾルをテフロンフィルターおよび石英繊維フィルター上に捕集し、化学成分分析を行ってその組成解析を行った。さらに積分型散乱計および吸収光度計を用いて散乱係数および吸収係数の同時測定も行った。またインパクターを用いてエアロゾルを捕集し、電子顕微鏡解析を行い、引き続き水透析法を用いて電子顕微鏡解析を行うことにより、混合粒子の存在割合についても実態解析を行った。以上の観測結果より、大気エアロゾルを黒色純炭素、有機物、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、海塩および土壌粒子の6成分から成るものとし、さらに混合粒子の存在も仮定して、各成分粒子系に対して様々な粒径分布を与え、さらに混合状態として外部混合および内部混合状態を仮定して、ミー散乱理論に基づき散乱係数と吸収係数を算出した。算出された散乱係数および吸収係数と、同時に実測された測定値とを比較した結果、微小エアロゾルに対して、外部混合状態を仮定し、個数表示の対数正規分布形として幾何平均半径が0.046μm、幾何標準偏差が1.7の場合に、計算値と実測値が最も良く一致した。 以上のことから、多成分多分散粒子の集合体である大気エアロゾルに対して、光学的に最適のモデルとして、各成分粒子系を対数正規分布とし、黒色純炭素、有機物、硫酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムに対しては個数表示の幾何平均半径を0.046μm、幾何標準偏差を1.7、一方、海塩および土壌粒子に対しては幾何平均半径を0.49μm、幾何標準偏差を2.15とするモデルを選定した。
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