研究概要 |
大気成分の可視・紫外域での吸収スペクトルとこの領域での光化学が孤立系と水クラスター系でどのように変化するかを明らかにし、大気化学における役割を検証した。 まず水分子の吸収スペクトルをマトリックス単離法で観測した。解析の結果、これまで報告されてきた水のスペクトルは水クラスターによるものあることが明らかになった。既存のキャビテイ・リングダウン装置で水クラスターの観測も試みるている。リングダウン波形解析装置を用いた場合のキャビティ・リングダウン吸収分光装置の検出限界を求めている。OHラジカルの計測法で実績をあげてきた既存の装置を改造し感度の向上を試みた。今後、水クラスターによる倍音吸収バンドの同定を行う。超音速ジェット噴流を用いた極低温実験では、水の多量体の検出が期待でき水クラスターに関する知見が期待される。更に、大気中微量成分であるオゾン、HO_2、NO_2などと水のクラスターによる吸収バンドを観測し、それぞれのクラスターの構造を同定している。 大気に関係した反応として NO_2…H_2O+hv(VIS/UV)→NO+H_2O_2 O_3…H_2O+hv(VIS/UV)→O_2+H_2O_2 NO_2…H_2O…NO_2+hv(VIS/UV)→HONO+HONO_2 などがクラスター内反応や表面反応で起こるが、クラスター内反応や表面反応など接触型反応分子ペアーの光反応は今なお未解決な反応を調べた。これらの不均一反応はH_2O_2,HONO,HONO_2など、OHのソースとして重要な大気微量成分が生成する経路を解析した。本研究ではこれらの反応機構について検討した。
|