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2000 年度 実績報告書

マクロサイクリックTTF系の開発と機能開拓

研究課題

研究課題/領域番号 12020202
研究機関北海道大学

研究代表者

中村 貴義  北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60270790)

キーワードマクロサイクリックTTF / 結晶構造 / LB膜 / イオン認識 / AFM
研究概要

TTF誘導体がフレキシブルなアルキル基等で結合した環状物質に注目して研究を進めている。このような系に期待されることは、(1)結合部位のフレキシビリティに由来した、TTF部位の空間的な位置制御とそれに伴う新奇物性の発現、(2)環状部分への金属イオンの包接によるTTF部位の物性制御、あるいは、TTF部位のレドックス制御による金属イオンの包接挙動の制御である。
1.単結晶系におけるTTFの空間位置制御
24員環および30員環を有するマクロサイクリックTTFを合成し、TCNQ系アクセプターとの錯体を作製した。結晶中でドナー分子は2価、すなわちTTF分子は完全電荷移動状態になっていた。TTFが+1価であるため、結晶中ではボリエーテル部分が折れたたまり、いずれの場合もZ型のコンフォメーションを有していた。しかしながら、分子内のTTFオーバーラップ形式は異なり、結合部分のフレキシビリティを利用して、TTF部位の重なり制御ができた。さらに、TCNQ部位が部分酸化状態にある塩も得られ、導電性分子集合体を構築することが出来た。
2.マクロサイクリックTTF誘導体単分子膜のイオン認識
単結晶と比較してイオンの出し入れがより容易であると考えられる超薄膜系を、マクロサイクリックTTF誘導体を用いて構築し、膜のイオン認識と構造物性相関について検討した。成膜物質としては2および4鎖型マクロサイクリックTTF誘導体を用いた。いずれの場合も良好なπ-A曲線を与えた。また、下層水にアルカリ金属イオンを添加したところ、イオン濃度に対応したπ-A曲線の変化が観測された。π-A曲線の挙動変化の原因を探索するために、水面上でのBAM(Brustar Angle Microscope)観察および単分子膜をマイカ基板上に写し取ってAFM測定を行った。その結果、下層水のイオンにより、膜のモルホロジーが大きく変化することが分かり、さらに条件を整えることによりかなり長いファイバー構造が得られることが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Ikegami: "Structural Change in Langmuir and Langmuir-Blodgett Films of AlkylDCNQI Induced by Charge-Transfer Reaction at the Air-Water Interface"J.Chem.Phys.. 112. 881-886 (2000)

  • [文献書誌] T.Akutagawa: "Tuning of Intramolecular π-π Overlap Mode of Tetrathiafulvalene bisannulated Macrocycles in the Open-Shell Electronic State"Chem.Lett. 132-133 (2000)

  • [文献書誌] T.Hasegawa: "Mixed-Stack Organic Charge-Transfer Complexes with Intercolumnar Networks"Phys.Rev.B. 62. 10059-10066 (2000)

  • [文献書誌] T.Akutagawa: "Crystal Structure of Tetrathiafulvalene Multiannulated Macrocycles in Open-Shell Electronic State"Mol.Cryst.Liq.Cryst. 349. 379-382 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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