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2000 年度 実績報告書

置換基の立体的および電子的特性を活用した基底三重項シリレンの創出

研究課題

研究課題/領域番号 12020243
研究機関京都大学

研究代表者

武田 亘弘  京都大学, 化学研究所, 助手 (80304731)

研究分担者 時任 宣博  京都大学, 化学研究所, 教授 (90197864)
キーワード三重項シリレン / シリレン-イソシアニド錯体 / シリルボラン-イソシアニド錯体 / 立体保護
研究概要

本研究では、申請者らがこれまで種々の高反応性化学種の安定化に応用してきた有用な立体保護基である2,4,6-トリス[ビス(トリメチルシリル)メチル]フェニル(Tbt)基による安定化の研究対象をより反応性の高い有機ケイ素二価化学種(シリレン)に展開することとし、中でも未だ安定な合成例のない基底三重項シリレンの創出とその未知なる性質の解明を行うことを目的としている。
平成11年度までの本特定領域研究において、Tbt基とメシチル(Mes)基または2,6-ジイソプロピルフェニル(Dip)基とを有するシリレン[Tbt(Ar)Si:,Ar=Mes or Dip]を発生させることに成功したが、その反応性からこれらのシリレンはいずれも一重項シリレンであることが示唆され、三重項シリレンの発生のためにはよりかさ高い置換基の導入が必要であることが判った。そこで本年度は、Tbt基とDitp基[2,2″-ジイソプロピル-m-テルフェニル-2′-イル基]またはTbt基を有するシリレンの合成について検討した。TbtSiH_3とDitpLiおよびTbtLiとの反応を行ったところ、いずれの場合にも原料であるTbtSiH_3が主生成物として回収され、目的のジヒドロシランは得られなかった。この結果は、置換基同士の立体障害のためと考えられ、三重項シリレンの合成のためにはさらなる置換基の検討が必要と考えられる。一方、シリレンイソシアニド錯体から発生させたシリレンとBH_3・THFとの反応を検討したところ、シリルボラン-イソシアニド錯体を初めて安定な結晶として合成単離することに成功した。シリルボラン-イソシアニド錯体は、ごく最近イソシアニドのシリルボランのSi-B結合への挿入反応の反応中間体として提唱されており、その点でも興味深い。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ken Hatano: "The First Stable Heteracyclopropabenzene : Synthesis and Crystal Structure of a Silacyclopropabenzene"J.Am.Chem.Soc.. 122. 4829-4830 (2000)

  • [文献書誌] Nobuhiro Takeda: "A Novel Reaction Mode in the Cycloaddition of Thermally Generated Silylenes with Conjugated Dienes"Chem.Lett.. 2000. 622-623 (2000)

  • [文献書誌] Renji Okazaki: "Heavy Ketones, the Heavier Element Congeners of a Ketone"Acc.Chem.Res.. 33. 625-630 (2000)

  • [文献書誌] Norihiro Tokitoh: "Recent Topics in the Chemistry of Heavier Congeners of Carbenes"Coord.Chem.Rev.. 210. 251-277 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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