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2000 年度 実績報告書

プロトン授受による鉄(II)ポレフィリンラジカルカチオンの可逆的生成

研究課題

研究課題/領域番号 12020257
研究機関東邦大学

研究代表者

中村 幹夫  東邦大学, 医学部, 教授 (20112914)

研究分担者 大胡 恵樹  東邦大学, 医学部, 助手 (40287496)
キーワードポルフィリン / ラジカル / 鉄錯体 / ^1H NMR / ^<13>C NMR
研究概要

本研究では、プロトン授受が可能な置換基を環周辺に持つポルフイリンの鉄(III)錯体を合成し、プロトン授受によりFe(III)(Por-H)^+とFe(II)(Por)^+(Por^+はポルフィリンラジカルカチオンを示す)が可逆的に相互変換する新しい大環状開殻共役電子系を構築することを目的とした。このような物性を持つ錯体を得るためには、ポルフィリン環周辺に置換基を導入し、ポルフィリンのHOMOを上昇させる必要がある。HOMOを上げるためには二つの方法がある。一つはポルフィリン環を非平面化させること、もう一つはポルフィリン環に電子供与性置換基を導入することである。そこで、まずmeso位にイソプロピル基を持つ非平面ポルフィリン鉄(III)錯体で検討した。軸配位子としてt-ブチルイソシアニドのような低いπ^*軌道を持つ錯体を合成したところ、ポルフィリンのHOMOから鉄(III)に0.5個以上の電子が移動し、ポルフィリン環がラジカルカチオン的性質を持つことが、^1H NMRや^<13>C NMRの解析から示唆された。現在、このような非平面ポルフィリン錯体のピロールβ-位にプロトン授受が可能なアミノ基を導入するための実験を行っている。これと並行してmeso-位にp-(ジメチルアミノ)フェニル基を持つ錯体の合成を行った。常法により合成した鉄(III)クロリド錯体にテトラブチルアンモニウムシアニドを4当量加えることにより低スピン鉄(III)錯体を合成したが、ポルフィリン環のラジカル的性質はイソプロピルポルフィリン錯体に比べて極めて小さかった。即ち、meso-位に結合したフェニル基に電子供与性置換基を導入しても、ポルフイリン環のHOMOをそれほど上昇させることはできないことが明らかになった。現在、meso-炭素に直接アミノ基が結合している錯体の合成を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takahisa Ikeue: "Formation of pure intermediate spin complexes in highly nonplanar iron(III) porphyrins"Chemical Communications. 1989-1990 (2000)

  • [文献書誌] Yoshiki Ohgo: "Bis(tetrahydrofuran)(meso-tetraisopropylporphyrinato)iron(III) Perchlorate"Acta Crystallographica. C57. 233-234 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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