研究概要 |
混合原子価錯体Cs2Au2X6(X=Cl,Br and I)の光誘起相転移とそのダイナミクスについて調べた。なお、研究はポスドクである劉暁峻が中心となって進められている。代表的な研究成果を列挙する。 (1)1次元混合原子価錯体の圧力誘起相転移 1次元混合原子価金錯体に圧力を印可し、混合原子価状態から単一原子価状態へ相転移を誘起した。相転移の観測は、ダイヤモンド・アンビル・セルを用いた高圧ラマン分光方によっておこなった。この結果は、JSPJのLetterとして、掲載されている。 (2)マンガン酸化物の光スイッチ ペリブスカイト型マンガン酸化物膜を作成し、光照射により透過率・抵抗率の制御を行った。膜に光照射を行うと、下向き電子が励起される。下向き電子が緩和するときに、多くのスピン波が生成される。そして、スピン系が過渡的に乱れ、透過率・抵抗率が変化すると、考えられる。
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