研究課題/領域番号 |
12025214
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
泉井 桂 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (20025414)
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研究分担者 |
畑 信吾 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (40238001)
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キーワード | トウモロコシ / 環境ストレス応答 / リン酸化ペプチド抗体 / C4光合成 / プロテインキナーゼ / ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ / フラベリア / シグナル伝達 |
研究概要 |
C4光合成の律速酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)をとりあげ、ア)本酵素の可逆的リン酸化による活性調節の動態の解明、イ)このリン酸化に関与するプロテインキナーゼ(PK)の同定とこれに連なるシグナル伝達機構の解明および、ウ)本酵素遺伝子の発現調節すなわち、転写やmRNAの安定性などの段階におけるリン酸化を介する調節機構の解明を目指す。今年度は1.単子葉C4植物のトウモロコシを材料として種々の条件下でのリン酸化の動態を特異的抗体を用いてより定量的に解析する手法を開発した。2.双子葉C4植物であるフラベリアトリネルヴィアからPEPC-PKのcDNAをクローニングすることに成功した。組換え体酵素を作成しその活性を確認した。さらに、トウモロコシからもPEPC-PKの部分配列のcDNAのクローニングに成功した。3.PEPCのリン酸化の促進にはCa^<2+>が必要であることが細胞レベルで示唆されているので、植物特有のCa^<2+>依存性PK(CDPK)に注目してきた。とくに低温で誘導される分子種については、イネを用いて過剰発現形質転換株を作出したところ、顕著に低温および乾燥/塩ストレス耐性が高まった。このCDPKは主に維管束周辺細胞において発現していることをみいだした。葉肉細胞での発現は低いことからこのCDPKはPEPCの低温下でのリン酸化に関与していないことが明らかとなった。4.PEPCの遺伝子発現は葉緑体と核とのクロストーク制御を受けないこと、mRNAの分解に関与するRNaseで光により活性変動すると推定されるものが存在することを示唆する知見を得た。また、本遺伝子の光誘導とDNAのメチル化との間に興味深い対応関係を見い出した。
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