Pale leaf表現型を示すシロイヌナズナの変異株unslの葉の電子顕微鏡解析を行い、チラコイド膜が未発達であることを見いだした。このことは、葉のクロロフィル含量やカロテノイド含量の減少という表現型と一致する。unslの原因遺伝子の単離については、ファインマッピングの結果、原因遺伝子が存在すると予想される約20kbの領域内に野生型との間で制限酵素ClaIによりRFLPを見いだした。しかし該当領域に対応するPCR産物のClaI断片は野性株と変異株とで差がみられないことから、unsl変異は遺伝子のメチル化の程度の違いによる発現量の差が原因となる可能性が示唆された。pale leaf変異株uns6では、T-DNAによって破壊されていた遺伝子が原因遺伝子であることが確認された。この遺伝子は酵母の転写開始複合体形成に関わるSSU72遺伝子に高い相同性を示す。酵母ではnull変異株は致死になるが、null株であるuns6では葉の形態や色、一部の糖応答性遺伝子の発現が影響を受けるのみである。uns2/hls1株での解析から、植物ホルモンであるオーキシンが糖の取り込みか糖のリン酸化を負に制御することで糖応答性遺伝子の発現を抑制する可能性が示唆された。さらにuns2/hls1株での内在オーキシンレベルの低下が確認された。従ってすでに明らかにしたuns2/hls1株での全ての糖応答性遺伝子発現の高い糖応答性を、オーキシンによる糖の取り込み/リン酸化の抑制が解除されたためと説明する事ができる。
|