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2000 年度 実績報告書

Rasを介したアポトーシス抑制経路におけるBimの機能と転写調節

研究課題

研究課題/領域番号 12036218
研究機関自治医科大学

研究代表者

稲葉 俊哉  自治医科大学, 医学部, 講師 (60281292)

キーワードサイトカイン / 造血前駆細胞 / アポトーシス / Bim / Bcl-2スーパーファミリー
研究概要

われわれの研究室では最近数年間、サイトカインが造血前駆細胞の生存を維持するシステムの解明と、その機能異常が白血病の発症に関与するメカニズムを検討している。当研究費では特,にBcl-2スーパーファミリーに属するBimに焦点を当てて検討を進めた。BimはBH3ドメインのみを有してアポトーシス抑制的なBcl-2ファミリーメンバーの機能を阻害する、いわゆるBH3細胞死誘導因子のメンバーであるが、IL-3依存性細胞株がサイトカイン欠乏によるアポトーシスに陥る際に転写レベルで発現が誘導ざれる。逆にいえば、造血前駆細胞がサイトカインの支持の下、生存を維持できるのはBimの発現が抑制されていることによる。
われわれはサイトカイン受容体からBimのmRNA発現にいたるシグナル伝達経路の詳細を検討した。その結果Bimは古典的なRas/Raf/MAPKを経る経路と、Ras/PI3-Kを介した経路の双方の経路によって独立して制御されていることが明らかになった。PI3-Kの下流は、よく知られているAkt/Bad経路はまったく関与しておらず、mTORによるBimの発現抑制が重要な働きをしていることが明らかになった。このような経路を介してBimの発現を抑制する転写因子を同定するために、Bimの転写開始点を同定し、プロモーター領域の同定を試みた。Bim遺伝子の5'側は著しくGC配列に富んでいるため、転写開始点の同定は困難を極めたが、5'RACE法およびribonuclease protection法によりこれまで同定されていなかった非翻訳領域のみからなる第一エクソンを同定した。現在定法に基づき、上流プロモーター領域を含むレポータープラスミドを作成し、転写調節因子の結合領域の同定を試みている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Akimoto et al.: "Erythropoietin regulates vascular smooth muscle cell apoptosis by a phosphatidylinositol 3 kinase-dependent pathway."Kidney International. 58. 269-282 (2000)

  • [文献書誌] Shinjyo, et al.: "Downregulation of Bim, a proapoptotic relative of Bcl-2, is a pivotal step in cytokine-initiated survival signaling in murine hematopoietic progenitors."Molecular and Cellular Biology. 21. 854-864 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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