研究課題/領域番号 |
12037216
|
研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
岩崎 行玄 福井県立大学, 生物資源学部, 助教授 (20193732)
|
研究分担者 |
石川 敦司 福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (70264687)
旭 正 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (10023392)
|
キーワード | Gibberellin / G protein / Plant hormone / Rice |
研究概要 |
(1)イネ3量体Gタンパク質の発現場所の解析 イネ3量体Gタンパク質αサブユニット遺伝子(RGA1)遺伝子のプロモーター領域(上流900bp)から第3エキソンまでを含む断片に、GUS遺伝子を連結させた形質転換イネを作出した。成熟したイネの茎頂、受粉後3日目の球状胚、受粉後1週間目(第1葉分化期)の茎頂、第1葉原基、幼根原基には、GUS活性は検出されなかった。発現が確認された組織は、胚盤上皮細胞、アリューロン層、伸長節間、節、発達初期の外穎と内穎、および成熟した花粉である。これらの結果より、植物型Gタンパク質は細胞伸長や分泌等の輸送に関与し、細胞分裂には関与しないと推定した。 (2)3量体Gタンパク質が関与するシグナルの同定 植物3量体Gタンパク質が関与する植物ホルモンとして、ジベレリンに着目し、ジベレリン添加後のαアミラーゼの誘導機構を解析した。イネアリューロン層において、ジベレリン添加後、GAMybとαアミラーゼの転写産物は、野生型に比べ、大黒d1では抑制されていた。このことは、イネアリューロン層では、3量体Gタンパク質は、ジベレリン情報伝達に関与し、転写因子であるGAMybの発現を制御していると考えられた。 (3)活性型αサブユニットの作出とその機能解析 In vitro mutagenesis法を用いて、αサブユニットに、恒常的に活性型を示すと予想される改変遺伝子を作出した。R191C、Q223L、A356Sの変異体は、GTP結合能を有し、かつ、GTPase活性は、消失していた。このことは、恒常的に活性型の変異体が作出で来たことを示した。 (5)遺伝学的手法による大黒d1と類似の表原型を示す変異体の変異遺伝子の単離 イネ矮性変異体d11の変異遺伝子の単離を、マップベースクローニング法を用いて行っている。染色体4番の長椀に位置するd11座は、RFLPマーカーL353より0.12cM(7個体)、C559より0.15cM(9個体)に位置することを明らかにした。
|