研究課題/領域番号 |
12039106
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
遠藤 史 和歌山大学, 経済学部, 助教授 (20203672)
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研究分担者 |
大島 稔 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (00142787)
津曲 敏郎 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80113588)
宮岡 伯人 大阪学院大学, 情報学部, 教授 (60002979)
佐藤 知己 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (40231344)
渡辺 己 香川大学, 経済学部, 助教授 (30304570)
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キーワード | 危機に瀕した言語 / 環北太平洋地域 / フィールドワーク / 言語調査 / 言語動態調査 / 記述言語学 / 言語と社会 / 類型論的多様性 |
研究概要 |
本研究では、環北太平洋地域における「消滅の危機に瀕した言語」(危機言語)に関して、昨年度の成果に基づきつつさらにそれを発展させ、総合的な観点から調査研究を行った。今年度における主要な研究成果は次の3点である:(1)これら危機言語に関して、各研究者がそれぞれの計画研究によって収集したデータ(特に今年度の夏を中心とする時期のフィールドワークによる成果)を提示・紹介し、言語記述の観点から検討した。また、このフィールドワークで得た各地域における言語及び言語動態の状況・現地における調査研究の進行状況等にかんする情報を交換し、今後の研究の進展をはかった。特に今年度においては、すでに行われた昨年度の研究成果にも十分配慮して、各研究者が研究代表者をつとめる各計画研究に研究分担者等として参加するメンバーがいる場合、そのメンバーの研究成果をも紹介・検討した。(2)研究成果が蓄積されつつあることに鑑みて、研究報告書を中心とした出版物にそれらを結実させるために、各研究者間で密接に連絡を取り合い、出版計画の検討や出版計画への助言などを行った。この活動は今年度のA02「環北太平洋班」の諸報告書に結実している。(3)各研究者が行った研究計画の進行状況を互いに報告し、検討するべき点・将来発展させるべき点などについて話し合い、互いに研究上の刺激を与え合うとともに、各計画研究のより円滑かつ効率的な進行を図った。以上の成果を得るにあたっては電子メールの積極的活用をはかり、ホームページの頻繁な改訂を心がけるとともに、この特定領域研究の科研全体会議(6月、東京および11月、京都)でのコミュニケーションの機会を十分に活用した。あわせて今年度の海外共同研究者たるニコラエバ(I.Nikolaeva)、トルスマ(G.Tolsma)、オデ(C.Ode)各氏とも積極的な情報交換を行い国際的な観点から研究成果を検討した。以上の内容は、2002年6月に行われる科研全体会議での研究代表者の講演に反映される予定である。 環北太平洋地域における危機書語は、系統的にみても類型論的にみても、絢爛たる多様性を示している。またそれらの現在の社会的状況も多様性に満ちている。これらの要因のために当該地域にかんする各研究計画の円滑かつ効率的な進展めためには、研究者相互の情報交換と刺激が不可欠となる。また、今年度の活動で端緒が示されたように、それら研究成果の出版も一層充実されるべきである。この点で今後も当特定領域研究の研究項目A02「環北太平洋」の調整班たる本研究が果たす役割は大きい。
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