| 研究概要 |
これまでの研究ではほとんど資料がないアイヌ語方言(阿寒方言,白糠方言,三石方言,千歳下流部方言)について調査を行い,貴重なデータを収集することができた.また,よく知られている方言(平取方言)の調査も行ったが,そこではこれまであまり報告がない会話的表現のデータを収集することができた.これらの調査の結果,三石方言は様似方言に近い点があること,また,他の方言は,これまで知られているアイヌ語方言に関する数少ないデータを裏書きする特徴を示すことが明らかとなった.なお,平取方言のデータからは,アイヌ語の対話資料は,日本語の対話資料よりも,終助詞の使用頻度が著しく低い可能性がある,という興味深い結果が得られている.
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