研究課題/領域番号 |
12039232
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
狩俣 繁久 琉球大学, 法文学部, 教授 (50224712)
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研究分担者 |
須山 名保子 聖学院大学, 人文学部, 教授 (10279573)
大胡 太郎 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30253941)
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キーワード | 危機言語 / 琉球語 / 奄美方言 / 笠利町佐仁 / 龍郷町瀬留 / 大和村 / 『奄美方言分類辞典』 |
研究概要 |
研究代表者狩俣繁久は、昨年度にひきつづき、奄美大島最北端の笠利町佐仁の方言をおこなった。昨年度は琉球方言中、そして奄美諸方言のなかでも、音声の観点からみて古い姿をのこす佐仁方言の実態調査と音声に関する調査をおこなったが、今年度は、基礎語彙以外の語彙に調査の範囲をひろげて調査をおこない、約3千の語彙を収集した。また、狩俣は、龍郷町瀬留集落の方言によることわざ集発行にむけた聞き取り調査をおこなった。 須山名保子も昨年度にひきつづき奄美大島中部の大和村の方言と奄美大島南部瀬戸内町方言の文法の調査をおこなった。文法は言語の学習と継承にとって重要な要素であるが、奄美方言に関して、特に中部地域と南部地域に関して研究が遅れている。今年度は、とくに、動詞のテンスとアスペクトに関する調査、および形容詞の語彙の収集をおこなった。また、『奄美方言分類辞典』(上下巻・長田須磨、須山名保子、藤井美佐子著)をデータベース化し、インターネット上にのせるための方法などについて作業をすすめた。 研究分担者大胡太郎は、狩俣らとともに奄美大島龍郷町のシバサシにともなう歌謡の調査を行ない、ビデオによる収録をおこなった。また大胡は、宮古水納島からの移住集落である高野で民俗儀礼スツウプナカの調査、および、フユウプナカの調査をおこない、儀礼をビデオに収録した。故郷水納島では人口が激減し、民俗行事がおこなわれておらず、移住集落であるために、周辺集落との文化的接触で固有の文化が変容と消滅の危機に瀕していて調査が急がれるところである。 狩俣は、昨年11月京都で行われた国際学術講演会「消滅に瀕した言語」のシンポジウムで琉球語研究の現状について報告した。
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