(1)総合人類学カリキュラムの作成 本研究では、現在、千葉大学文学部で開講している「文化人類学基礎」の教育内容更新を想定して総合人類学カリキュラムを作成した。講義の1回目は人類学の学問体系を概説するガイダンスにあて、前半(第2回〜7回)を生物人類学、後半(第8回〜13回)を文化人類学分野の講義とした。 カリキュラムの作成においては、鈴木が文化人類学分野、内田が生物人類学分野の原案づくりを担当した。その後、両者の協議を通じて総合人類学教育に必要な履修項目を選択した。その際「適応」概念を中心に据え、文化的適応と生物学的適応の類似点と相違点を明確にすることを通じて、文化人類学と生物人類学の相互補完性を学生に提示することを決定した。 (2)教材化を行う視聴覚資料の選定・収集 鈴木と内田各自が所有する研究資料、および文化人類学講座が所有する研究資料から、相応しい資料を選定した。また夏季休暇中に鈴木が、文化人類学講座3年次学生を対象とする文化人類学調査実習に同行し、高知県高知市において映像資料を作成・収集した。 (3)視聴覚資料のデジタル化 パーソナルコンピュータを用いて視聴覚資料を電子ファイル化した。写真・スライド資料のスキャニング、資料のデータベース作成などを研究補助者の協力を得ながら実施した。
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