研究課題/領域番号 |
12042211
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50093076)
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研究分担者 |
高見 誠一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40311550)
久保 百司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90241538)
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キーワード | コンビナトリアル計算化学 / 複合的触媒機能 / 原子レベル制御 / 高速化量子分子動力学 / メタノール合成触媒 / ダイオキシン分解触媒 / クリーン燃料合成用硫化物触媒 / 燃料電池用アノード触媒 |
研究概要 |
研究代表者らは、コンビナトリアルケミストリーの概念を計算化学に取り入れた「コンビナトリアル計算化学」という新しいコンセプトを提唱している。このコンビナトリアル計算化学では、周期表のありとあらゆる元素の機能、特性を計算化学により予測することによって、全く新しい触媒材料の研究開発を推進しようというものである。つまり、実験的にすでに明らかにされている機能や特性を計算化学を用いることによって、原子・分子レベルでの理解を深めるのではなく、計算化学を材料探索のための高速なスクリーニング手法として活用することを目的とする。 この方法論の実践には高速な計算手法の開発が必須であり、一昨年度に従来の第一原理分子動力学法に比較し、約5000倍の高速計算を実現した高速化量子分子動力学計算プログラムColorsの開発に成功した。本年度は、本プログラムの予測性と精度を向上させるために、本計算に使用するパラメータを第一原理的に決定する方法論の開発に成功した。これにより、高速かつ高精度な電子状態ダイナミックスの解明が可能になった。 さらに、開発した上記プログラムや第一原理計算を活用することにより、メタノール合成触媒、ダイオキシン分解触媒、クリーン燃料合成用硫化物触媒、燃料電池用アノード触媒など様々な触媒系に対して、研究代表者らの提唱するコンビナトリアル計算化学の有効性を示すことに成功した。特に、実験的には未だ明らかになっていない新触媒の提言にも成功した。
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