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2001 年度 実績報告書

理論計算を駆使した有機金属クラスター設計による新規炭素-炭素結合生成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12042223
研究機関東京大学

研究代表者

中村 正治  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00282723)

キーワード炭素-炭素結合生成反応 / オレフィンカルボメタル化反応 / 有機亜鉛化合物
研究概要

金属カチオンとカルバニオンからなる求核的有機金属化合物は,有機溶媒中で複数の会合種の平衡状態にあり,このようなクラスター性有機金属化合物の反応機構は複雑を極める.このような有機金属化合物を活用する精密合成反応の開発には,その反応機構の解明と理解が必須であるが,実験的な手法のみでは解決できない問題点も多い.このような研究分野において,大規模量子化学計算と合成反応研究の併行による「理論(反応理解)に導かれる反応開発」がその威力を発揮することが期待される.本研究では計算機化学的手法を用いた有機金属クラスターの反応機構の解明と理論研究に基づく反応設計を基盤とした,新しい炭素-炭素結合生成反応の開発を行ってきた.
活性化基を持たない単純オレフィン類への有機金属試薬の付加反応(カルボメタル化反応)は,動力学的にも熱力学的にも不利な反応であるが,一次化学品であるアルケン類の精密合成化学への直接利用を可能とする魅力的な反応である.我々はビニル金属化合物に対するアリル金属,および金属エノラート類縁体の付加反応の実験,理論研究を通して活性な亜鉛エノラート等価体である亜鉛エナミンが効率的に単純オレフィンへ付加することを見いだした.すなわち第一アミン類とケトン類から容易に調製可能なイミンに対しアルキルリチウム,アルキル亜鉛試薬を逐次的に作用させ調製した亜鉛エナミンがエチレン,オクテンを始めとする不活性アルケン類に効率的に付加し,イミノ官能基を有する官能基化有機亜鉛試薬を高収率で与えるが明らかとなった.さらに光学活性イミン類を用いることで高立体選択的な炭素-炭素結合生成反応への展開が可能であることを示すことができた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Nakamura et al.: "Carbozincation of Dipolar Trimethylenemethane. A New Route to Functionalized Organozinc Reagents"Chem. Lett.. 146-147 (2002)

  • [文献書誌] M.Nakamura et al.: "Regioselective Allylzincation of Vinylboronate"Org. Lett.. 3. 3137-3140 (2001)

  • [文献書誌] H.Ohara et al.: "[2+2]-Cycloaddition Reaction of Styrene Derivatives Using an Fe(III) Salt Catalyst"Chem. Lett.. 624-625 (2001)

  • [文献書誌] M.Nakamura et al.: "[3+3] Cycloaddition Reaction of Dipolar Trimethylenemethane with Active Methylene Compound"Synlett. 1030-1033 (2001)

  • [文献書誌] M.Nakamura et al.: "Synthesis of Substituted Cyclopropanone Acetals by Carbometallation and Its Oxidative Cleavage with Manganese (IV) Oxide and Lead (IV) Oxide"J. Organomet. Chem.. 624. 300-306 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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