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2001 年度 実績報告書

環状ポリフェニレンの分子設計・合成ならびに機能

研究課題

研究課題/領域番号 12042267
研究機関東京都立大学

研究代表者

伊與田 正彦  東京都立大学, 理学研究科, 教授 (50115995)

キーワード非平面共役系 / ポリフェニレン / フラーレン / 大環状化合物 / 包接錯体 / ナノマシーン / 環状オリゴマー / 酸化還元系
研究概要

最近、曲がった共役系化合物が注目を集めている。このような化合物は、これまでに研究されてきた共役系化合物の概念を大きく変える可能性を持っており、これからその重要性は増していくものと考えられる。ここで分子設計した標題化合物は、直径10〜20Åの円筒状の非平面共役系である。その芳香環の内部および外部ではπ電子の密度や電荷などにかたよりを生じ、その結果、特異な物性を示すことが期待される。これらの内、シクロパラノナフェニレンは直径13.5Å、シクロパラテトラデカフェニレンは直径20Åの分子であり、C_<60>などのフラーレン類を分子内に取り込むことが期待できるので、ナノマシーンとしての機能も予想される分子である。
ベンゼン間のパラ位とオルト位で環状に連結したシクロノナフェニレンを合成し、その内部空孔の性質を検討した。その結果シクロノナフェニレンは銀イオンを空孔内に取り込んだ錯体を形成することが明らかとなった。そのほかにもベンゼン環のパラ位とオルト位で環状に連結したシクロヘキサフェニレンやそのフッ素置換誘導体、シクロノナフェニレンよりさらに大きいシクロドデカフェニレンなどの合成についても検討したが、現在までのところ完成には至っていない。今後更に検討する予定である。
チオフェン環の2,5位をアセチレンで結合させた環状オリゴマーの合成についても検討し、環状5量体や環状10量体の誘導体が得られることがわかった。これらの化合物では、ドナー性を持ったチオフェン環を構成要素として持ち、分子内にかなり大きな空孔を持つことが予想されるので現在その構造や包摂能力・酸化還元挙動などについて調べている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Iyoda, K.Nakao, T.Kondo, Y.Kuwatani, M.Yoshida, H.Matsuyama, K.Fukami, S.Nagase: "[6.6](1,8)Naphthalenophane Containing 2,2'-Bithienyl-5,5'-ylene Bridges"Tetrahedron Lett.. 42. 6869-6872 (2001)

  • [文献書誌] Y.Kuwatani, T.Yoshida, A.Kusaka, M.Oda, M.Yoshida, H.Matsuyama, M.Iyoda: "Synthesis of Benzocyclobutadiene Trimers and all-Z-Tribenzo[12]annulene.A New Family of Concave π-Systems"Tetrahedron. 57. 3567-3576 (2001)

  • [文献書誌] M.Iyoda, T.Horino, F.Takahashi, M.Hasegawa, M.Yoshida, Y.Kuwatani: "Synthesis and Complexation Properties of a Synthetic Receptor,Z-Tetrabenzohexadehydro[16]annulene"Tetrahedron Lett.. 42. 6883-6886 (2001)

  • [文献書誌] T.Yoshida, Y.Kuwatani, K.Hara, M.Yoshida, H.Matsuyama, M.Iyoda, S.Nagase: "Copper(I),Silver(I),and Gold(I)Complexes of All-Z-Tribenzo[12]annulene"Tetrahedron Lett. 42. 53-56 (2001)

  • [文献書誌] M.Iyoda, M.Hasegawa, Y.Kuwatani, H.Nishikawa, K.Fukami, S.Nagase, G.Yamamoto: "Effects of Molecular Association in the Radical-Cations of 1,8-Bis(ethylenedithiotetrathiafulvalenyl)napathalene"Chem Lett. 1146-1147 (2001)

  • [文献書誌] H.Matsuyama, N.Itoh, A.Matsumoto, N.Ohira, K.Hara, M.Yoshida, M.Iyoda: "Conjugate Addition of 6-Membered Hydrazine to Chiral t-Butyl(E)-2-(p-Tolylsulfinyl)-cinnamates.Synthesis of (S)-Celacinnine"J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1. 2924-2930 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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