研究概要 |
ベクトル量子化技術を基に,300分の1の圧縮率を超えても画像品質の劣化を抑制できる超高精細静止画像圧縮アルゴリズムを開発した。また,開発したアルゴリズムを並列処理により高速に実行し,最大2048個のパターンを用いて実時間でエンコードを行えるプロセッサを開発した。このプロセッサは1600×2400画素のフルカラー画像(A4,200dpi相当)を約l秒で圧縮可能である。 ベクトル量子化ヒストグラム法と呼ぶ新しい情報処理アルゴリズムに基づき、顔画像による簡単かつ高信頼性の人物認識技術を開発した。この手法は,顔画像のベクトル量子化を行い,得られたコードベクトルの使用頻度(ヒストグラム)を特徴量として人物を認識する。公開ORLデータベースに対して,95.6%の平均認識率を実現した。さらに,線ベク卜ル量子化と隠れマルコフモデルによる顔の縦方向の位置的特長に注目した新しい手法を開発し,ベクトル量子化ヒストグラム法と組み合わせる事により,平均認識率を96.4%に向上させた。背景を含む撮影画像から顔位置を特定するため,色と形状情報を利用して画像から顔部分を抽出する手法を構築し有効性を実証した。 SS-CDMAフレキシブルワイヤレスネットワークのセル内通信技術として,ダウンリンクのパケットSS・CDMA方式とアップリンクの近似同期CDMA方式を用いた相互運用を実現するワンチップモデムを開発した。白色雑音環境下のケーブル伝送実験による特性評価を行い,等伝送遊度セル設計においては,各ユーザ64kbit/sで,チャネル数24chを確保し,双方向通信が実現てきることを示した。また,ホットスポットサービスへの応用を考慮したダウンリンク高速伝送セルモデルの設計を行い,アップリンクアクセスチャネル8ch,ダウンリンク20Mbit/s以上を実現した。
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