研究概要 |
汎用プロセッサの高性能化が進み,単独のプロセッサで全ての処理を実行できるようになる日もそれほど遠くはないと考えられる.このような状況下において,ハイエンド瞬時応答型知的情報端末の実現のために,画像情報処理のバックエンド処理を行う高性能デジタルシステムを構築するための,特定用途向け高性能プロセッサシステムの構成方法と低消費電力化,それを用いたシステム開発環境について研究を遂行した. まず,画像情報に対するバックエンドデータ処理がどのように行われているかを解析し,その結果を元に高速化と低消費電力化を目指したプロセッサやメモリのアーキテクチャ,電源電圧の最適制御方式,ハードウェアとソフトウェアの協調による高性能化手法など,ソフトウェア,アーキテクチャ,回路技術を組合せた高性能・低消費電力プロセッサシステムの構成技術について検討した. 具体的には,まず,データパス幅,命令セット,パイプライン段数,メモリ構成などを用途や対象プログラムにあわせて最適化できる高性能低消費電力プロセッサシステムの基本アーキテクチャの研究を行い,複数のデータパスや制御回路を搭載して,プログラムによって適切な回路を選択して利用するアーキテクチャ方式を検討した.また,画像処理用プロセッサとメモリ間インタフェースとその実現方法について研究を遂行し,画像処理に特化して,プロセッサからのメモリアクセスの局所性,データの均一性,命令の繰り返し等を考慮したインタフェースアーキテクチャを考案した.
|