1.外生機能物質の探索 沖縄県のマンゴー炭そ病菌(L. theobromae)に感染したマンゴー枝を採集し、40種の菌株を単離した。新しく得たこれらの菌株を用い、マイクロチューバー形成能およびセオブロキシド生産量を調べている。 2.セオブロキシドの機能 ムラサキアサガオの葉に1mMセオブロキシド水溶液を散布し、切断子葉をリン酸バッファー(pH7.3)で抽出した。酵素反応には酢酸ナトリウム-酢酸バッファー(pH4.4)を使用し、リノレン酸を基質としてリポキシゲナーゼ活性を紫外分光光度計により波長234nmの紫外光の吸収増加として測定した。この結果、セオブロキシド処理によってリポキシゲナーゼ活性が生成物あたりに計算して1.47倍に増加した。このことから、セオブロキシドによる花芽・塊茎形成はリポキシゲナーゼ活性の促進であることが明らかになった。 次にリポキシゲナーゼと光との関係について調べた。長日条件で栽培したアサガオを明期から暗期に切り替えた。直後、15分、30分、60分後の葉を採集し上記と同様の方法で酵素活性を求めた。暗期にすることによりリポキシゲナーゼ活性は30分をピークに高まりその後60分になると減少した。このことと、日照現象との関係を明らかにするには尚早であるが、その謎を解く鍵が隠されていると考える。 3.リノレン酸の代謝 [1-^<14>C]-α-リノレン酸をアサガオの葉に取り込ませ数日後の植物体内での移動を調べたところ、放射活性は日長の長短に関わらず上位部葉で高くなり、ラベル化合物が植物葉で取り込まれ移動することを明らかにした。現在いかなる化合物に代謝されるのか検討中である。
|