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2000 年度 実績報告書

原生動物の複合系情報伝達における鍵物質

研究課題

研究課題/領域番号 12045256
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関大阪市立大学

研究代表者

飯尾 英夫  大阪市立大学, 理学部, 教授 (80145771)

研究分担者 春本 晃江  奈良女子大学, 理学部, 助教授 (80198936)
臼杵 克之助  大阪市立大学, 理学部, 講師 (30244651)
キーワード繊毛虫 / 接合誘導物質 / ガモン / 糖タンパク質 / アスパラギン結合型糖鎖 / 自己防御物質 / ステントリン / ブレファルモン
研究概要

(1)繊毛虫Blepharisma japonicumが栄養増殖過程から有性生殖過程にはいる時おこる接合対の形成と、(2)繊毛虫間の補食-被食の関係に着目し、これらの生命現象を司る鍵化学物質を探索するとともに、その生命現象のメカニズムを分子レベルで解明することを目的として研究を行った。
1.ブレファリズマの接合誘導物質ガモン1(ブレファルモン)の構造研究
B.japonicumには接合型細胞I,IIが存在し、貧栄養状態になるとそれぞれの細胞が接合誘導物質ガモン1,2を放出し、相補的細胞に作用することでI型とII型細胞が接合し有性生殖過程に入る。今回新たにガモン1を単離し、その全アミノ酸配列を決定した。ガモン1の分子量が20kDaから30kDaに変更になったことから、N-アセチルグルコサミン4、マンノース3からなるアスパラギン結合型糖鎖構造(GlcNAc β1->2Man α1->3),(GlcNAc β1->2Man α1->6)Man β1->4GlcNAc β1->4GlcNAc β1->Asnを新しく推定するに至った。ガモン1のアミノ酸配列から糖鎖の結合位置は4カ所まで可能であるが、糖鎖の質量比は分子量の5%であると定量されいることを考慮すると、ガモン1には、この糖鎖が1つ結合していることになる。
2.異毛目繊毛虫の自己防御物質
stentor coeruleusがもつ色素顆粒の自己防御活性について検討した。(1)S.coeruleusと捕食繊毛虫D.margaritiferとの相互関係を調べ、(2)色素をもつ通常のS.coeruleus細胞と人工的に脱色したS.coeruleus細胞の被食割合を比較し、(3)合成で得たステントリンのD.margaritiferを含む7種の繊毛虫に対する毒性を検討した結果、S.coerueusの色素顆粒が自己防御器官として機能し、色素ステントリンがその化学的要因であることを明らかにした。
また、Spirostomum teresがもつ自己防御物質の探索を行った。S.teresの大量培養は困難なので、培養細胞を低温にさらしたコールドショック法により細胞を殺すことなくエクストルゾームを放出させ、このエクストルゾーム放出液の酢酸エチル可溶部に毒性物質の存在を確認した。さらに、ゾウリムシへの致死毒性を指標に精製し、毒性物質を微量ながら単離した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Miyake,M.;Harumoto,T.;Iio,H.: "Defense function of pigment granules in Stentor coeruleus"Europ.J.Protistol.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Usuki,Y.;Fukuda,Y.;Iio,H.: "2-Ethoxycarbonyl-2-fluoroaziridines : Methylene-bridged (Cα to N) α-Fluoro-α-amino Acids Analogues"ITE Letters on Batteries, New Technologies & Medicine. 2・2(in press). (2001)

  • [文献書誌] 寺嶋昌代,飯尾英夫,春本晃江: "ブレファリズミンおよびクリマコストールのDNA切断活性"原子動物学雑誌. 34・1. 60 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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