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2000 年度 実績報告書

量子臨界点近傍における多自由度ゆらぎのESR-μSR分光

研究課題

研究課題/領域番号 12046206
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関東北大学

研究代表者

野尻 浩之  東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80189399)

研究分担者 門野 良典  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (10194870)
左近 拓男  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80271964)
小山 佳一  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70302205)
髭本 亘  高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (90291103)
キーワードESR / μSR / 量子臨界点 / 磁気励起 / 超伝導
研究概要

スピンギャップと反強磁性状態あるいは超伝導と反強磁性状態の境界にある物質群に関して、磁場とキャリアドーピングをパラメータとして、異なった基底状態間の量子相転移に着目して以下のような研究を行った。
(1)スピンダイマー状態にある2次元直交ダイマー物質SrCu_2(BO_3)_2に関して、磁場でスピンギャップが消失する臨界磁場近傍において、磁気励起の異常をESRを用いて詳細に調べ、二つのダイマートリップレットが斥力で束縛状態を形成している証拠を見いだした。一般的な2粒子束縛状態は他にも知られているが、今回の系ではクーパー対のように引力ではなく、斥力で安定化されている点が新しい。さらに、強磁場中で現れるトリップレットのCDW状態において、ストライプ状態が正方格子と整合する1/4状態と整合しない1/3状態では励起スペクトルが根本的に異なることを見いだした。これは超伝導のストライプの安定性にも関連する重要な発見である。
(2)μSRを用いて強相関物質の、磁気揺らぎや反強磁性の発生に関して研究を行った。具体的には、フラストレーションによって重い電子的挙動を示す遷移金属酸化物LiV2O4、第二種超伝導体CeRu2および銅酸化物超伝導体の磁束状態、強相関電子系超伝導体CeCu2Si2の磁気揺らぎの研究、強相関電子系物質(Ce,La)B6のμSRなどの研究を行い、Sr_<2.5>Ca_<11.5>Cu_<24>O_<41>、(Ln,Ca)CUO_<2.5>、La_<1-x>Sr_xCuO_<2.5>などにおいて、局所的な、乱れた反強磁性の発生を見いだした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H,Nogiri et al.: "Submillimeter wave ESR study on quantum spin systems"Suppl.B J.Phys.Soc.Jpn.. 69. 83-88 (2000)

  • [文献書誌] T.Asano,H,Nojiri et al.: "ESR investigation on the breather mode and the spinor-breather dynamical crossove in CuBenzoate"Phy.Rev.Lett.. 84. 5880-5883 (2000)

  • [文献書誌] H,Nojiri et al.: "High Frequency ESR investigation on dynamical charge disproportionation and spin gap excitation in NaV_2O_5"J.Phys.Soc.Jpn.. 69. 2291-2298 (2000)

  • [文献書誌] K,Ohishi et al.: "Spatially modulated antiferromagnetism in Sr_<2.5> Ca_<11.5> Cu_<24> O_<41> probed by muon spin relaxation"J.Phys.Soc.Jpn.. 69. 2427-2430 (2000)

  • [文献書誌] K,Kakuta et al.: "Antiferromagnet (Ln, Ca)CuO_<2.5> near the quantum critical point (Ln=Pr,Nd)"Physica B. 289&290. 168-171 (2000)

  • [文献書誌] K.Ishii: "Appearance of magnetic long range order in spin ladder compound La_<1-x>SrxCuO_<2.5>"Physica B. 259&290. 165-167 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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