研究概要 |
酸素プラズマ援用分子線エピタキシ法による、マンガン酸化物、ペロブスカイト型マンガン酸化物薄膜作製技術を確立した。 1.スピネル型Mn_3O_4、λ-MnO_2の単結晶薄膜の成長を実現した。構造及び磁性を評価し、構造と磁性の関連性を明らかにした。赤外吸収により薄膜の膜厚に依存したフォノンの振る舞いを評価した。 2.SrTiO_3(001)基板上のペロブスカイト型PrMnO_3系薄膜では、PrとMnのフラックス比によりストイキオメトリーの制御を実現した。成長条件を最適化した2次元成長した試料では、RHEED振動の観察に成功し、その成長モードはPrO面とMnO_2面が交互に積層する成長モードであること、面内に圧縮歪みが存在することを明らかにした。Pr/Mnの組成比を変化した試料について磁性、及び、光学的性質を評価した。Pr/Mn<1の薄膜試料では、Pr欠損の増加と共にMnイオンの形式的な価数が変化し、約120K以下で強磁性的な振る舞いを示すことを見出した。Srをドーピングした試料では、2次元成長から3次元成長へと急速に変化した。 3.格子不整合の小さなNdGaO_3(110)基板上に、(Pr,Sr)MnO_3薄膜のエピタキシャル成長に成功し、2次元成長を実現した。高分解X線回折パターンではフリンジが観測され、極めて平坦な表面・界面を有することが明らかとなった。逆格子マッピングにより、基板と薄膜とのエピタキシの関係を評価した。Srのドーピング濃度を変化させた試料について、電気抵抗により電気的特性を評価した。
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