研究概要 |
1.研究内容 ・マグネリ相バナジウム酸化物の単結晶作成と物性評価, V_nO_<2n-1>の組成を持つマグネリ相バナジウム酸化物の単結晶作成を封管固相反応法により作製し(n=4,5,7)、磁性ならびに輸送特性の測定を行った。とくに、高圧下(〜8Gpa)での輸送現象の測定を行った。 ・極低温走査トンネル顕微鏡(STM)の設計と作製 ペロブスカイト酸化物のナノスケール領域の電子状態を観測するために、既存クライオスタットに脱着可能な約0.5Kまでの極低温STM装置を開発した。 2.研究経過および成果 マグネリ相バナジウム酸化物(n=5)において、およそ3.6Gpaで電荷整列相転移が抑制され、圧力誘起絶縁体-金属転移を観測した。さらに金属相低温側でコヒーレント伝導を示唆する急激な電気抵抗率の減少が観測されており、新しいexoticな金属状態が実現している可能性がある。 STM装置は現在試験段階中で、極低温領域(主に1K以下)での動作確認および温度安定性の向上を図っているところである。
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